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2010年04月21日

「日米安保」と「日米同盟」は全く別モノ その1

http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1271398567/
【金融】米ゴールドマン、不動産ファンドがほぼ全資産失う=FT[10/04/16]
1 名前:やるっきゃ騎士φ ★[] 投稿日:2010/04/16(金) 15:16:07 ID:???

[ニューヨーク 15日 ロイター] 英フィナンシャル・タイムズ紙によると、米ゴールドマン・サックスの国際不動産投資ファンドは、米国やドイツ、日本への投資に失敗し、資産のほぼすべてを失った。

このファンドはホワイトホール・ストリート・インターナショナル。
先月投資家に送付された年次報告書の内容を同紙が報じた。
18億ドルだった純資産額は3000万ドルに激減した。

同紙によると、ゴールドマンは同ファンドに4億3600万ドルを投じている。
広報担当者はコメントを控えた。

今週はモルガン・スタンレーも、88億ドル規模の不動産ファンドが資産の3分の2近くを失う可能性も明らかになっている。

ソースは
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14856720100416

【金融】米モルガン・スタンレーの不動産ファンド、約54億ドル損失の恐れ[10/04/14]
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1271213401/l50

1 名前:DKφ ★[] 投稿日:2010/04/14(水) 11:50:01 ID:???
米モルガンSの不動産ファンド、約54億ドル損失の恐れ−WSJ紙

4月13日(ブルームバーグ):米モルガン・スタンレーは88億ドル(約8200億円)規模の不動産ファンドで54億ドル近い損失が生じる可能性があると投資家に通知した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、オンライン版)がファンドの文書を引用して伝えた。

WSJによると、同社の匿名の広報担当者は損失についてはコメントを控えており、モルガン・スタンレーには「過去20年の多様な景気サイクルを通じて投資を続けてきた長い歴史がある」と説明したという。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=a6DB46SQ_gaw



45 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/04/14(水) 23:26:21 ID:GIKJfUUE
やっと、二段目に点火したか


46 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/04/14(水) 23:29:40 ID:sct4AFOp
>>45
サブプライム・ショックからここまでくるのに
けっこう時間かかったなw


32 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/04/14(水) 19:10:30 ID:t9vOJJ57
三菱UFJが1兆円出資した時のモルスタの株価15ドル
今のモルスタの株価30ドル

1兆円の含み益


47 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/04/14(水) 23:37:43 ID:wLG6vHwM
>>32
残念だが三菱はモルスタに25ドルで出資している


50 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/04/14(水) 23:42:59 ID:FGuNsYp9
>>47
残念だけどMUFGの出資はすべて優先株

5 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/04/16(金) 15:21:10 ID:DS401nOM
ゴールドマンでも大損することがあるんだねぇ


31 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/04/16(金) 15:41:54 ID:vA/Z6M/i
>>5
バブル崩壊後捨て値で100箇所以上買収した日本のゴルフ場
             ↓
不動産ファンドに取得額の20倍以上で買わせる
             ↓
GS大もうけ。不動産ファンド出資者大損


45 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/04/16(金) 15:58:25 ID:1JArKLa2
>>5
こないだ大損して潰れかけて、TARPの金をAIG経由で流してもらったろうが。


118 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/04/16(金) 18:46:10 ID:w1xMJ+TE
>>5
結構損してるよ
誰かに押し付けたり、税金投入させたりいろいろやってるけど
会計操作が叡智の結晶だから
会計上は損にならない


14 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/04/16(金) 15:28:03 ID:uNw/knMh
これって社員のボーナスに化けたってこと?


65 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/04/16(金) 16:23:18 ID:maFNs2KC
これはアレだろ
不動産投資全損って事は
例によって証券化商品だろ
毀損した債券をこのファンドに押しつけて
本体は助かりましたって事じゃないのか?



81 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/04/16(金) 16:40:05 ID:pWhMCuvS
>>65
俺もそう思うわ。
ゴミ債権を集中させて倒れさせれば
本体はすごくいい操作ができるもんね



88 名前:名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/04/16(金) 17:09:17 ID:6bkS7J3k
>>65
やっぱそう思うよね。
客に損つけて、自分らの稼ぎにしてるモデルにしか見えない。


66 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/04/16(金) 16:25:11 ID:f0rhRyeC
>>65
全体では増益だからなあ

84 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/04/16(金) 16:48:13 ID:KOCEt6rn
>>66
そこが記事で
一番書かなきゃいけないとこなんじゃないかなあ?



106 名前:名刺は切らしておりまして[] 投稿日:2010/04/16(金) 18:08:05 ID:zLqO1ah2
>>84
日本のマスゴミに、んな記事書けるわけない。

日経の赤字が全てを物語ってるよ。



新聞のネット進出が苦戦続きなのはなぜか | 時評コラム | nikkei BPnet
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091222/202408/?P=3

ウェブ時代がどうであるかに関係なく、
いまや読者は「無料でも、読まない」のだ。


価値が無いモノを それどころか害悪しかないモノを
何で時間と労力を掛けて読んだり観たりしなければならないのか?www
マスコミ新聞テレビ大手メディア とは もはやそういう 完全なる無用の長物と化している。

この話、俺的には やはり この人のが最もしっくりくる。

デリバティブ規制のニュースに感じる潮目 - Walk in the Spirit - 2010年04月15日
そして
GSの計画的下げ?? - Walk in the Spirit - 2010年04月16日
4/19の週の予定、カルテット演奏の幕引き - Walk in the Spirit - 2010年04月19日
NYは早くも景気回復モード? - Walk in the Spirit - 2010年04月20日

ど う 見 て も 単 な る イ ン サ イ ダ ー に し か 見 え ま せ ん w
 本 当 に あ り が と う ご ざ い ま し た


これでは オバマがインサイダーに噛んでいる とか言われても
全くに致し方ない訳でしてw
オバマがテメェの懐を肥やす為に行っていると思うは浅はかで
まぁ 普通に
 米国債を上手に消化するべく 米国の債務を国外へ騙して飛ばして消化させて
 アメリカ自国だけは生き残ってやろう、
という意図だよね。
そういうのを「取り込まれている」とも言うんだけどw さて どうなるか?

金と原油が上がり続けている、
米国債を溶かして化かして消化させようと
ありとあらゆる金融工学を使って 攻勢を仕掛けてくるだろうね。

国際外交関係とは そこまで冷徹で無情なモノだよね。
対米追従で安心している奴らは 何のカルトを盲信しているんだろうね。

USAのブッシュは 詐欺師集団を守る為に手を打っていたが
日本の自民党など旧態依然の連中も 詐欺師集団を守る為に手を打っていた。
オバマも USA市民を守るべく手を打っているだけだ。
手段は一緒でも 目的は違うだろう。

俺は そう妄想するけどね。



だから逆にいえば 他の件もカネで解決できる話になる という事にもなる訳だ。
価値観が共有できる者同士ならば 常に妥協はできるからねw

http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/654.html
米国の銭は尽きている、国防計画など絵に描いた餅だ (世相を斬る あいば達也)
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/40890f17e082178dec844f458b2f20ff

http://qualitysaitama-blog.at.webry.info/201004/article_10.html
残念でした、 大マスコミが一斉に「鳩山政権の迷走」「鳩山首相は無能」「アメリカ様は怒っているぞ!」の大合唱は
http://qualitysaitama-blog.at.webry.info/201004/article_10.html

[超人大陸TV] 【普天間問題】小川和久氏:味方を欺きアメリカにも手の内を明かさない鳩山首相の戦略が効果を現してきている
http://www.asyura2.com/10/senkyo84/msg/706.html


敵も知らず己も知らないまま 詐欺をしてでも百戦して百勝したがっては
対米追従でツケを下部構造へ流して逃げまくる連中の話よりも、
「敵を知り己を知れば 百戦して危うからず」な程度に収める冷静な大人の判断で
冷酷で無慈悲な国際外交の中から
無駄な支出となる博打は避け 確実な果実を一個だけ落とさせようとしている話を
俺は信用するね。
そして それこそが鳩山と菅と小沢の政権の外交政策の根幹だよね。
一瞬でバレるようでは 大人の政治じゃないもんねw

情報流通を追いかけ それを見つめ じっと考えれば 
一昨日に俺が書かなかった事へ結び付く話となる。
実は その布石を 今年の初頭から打っていた事に
俺は情報流通の中で拾ってきていたもんね。
気がつかなかった俺が 本当に馬鹿だったよねw
全力で鳩山政権を支持したい俺は だから書かない。
俺が気がつかなかった事も 拾えなかった事も 沢山あるんだろうなぁ。

ガキやパラノイアや宗教家では 決して理解できない領域だろうけどさ。



http://d.hatena.ne.jp/Tony_Shikaku/20100417/1271516956
普天間問題は実は米軍基地移転問題ではなく日米同盟そのものの問題である

どうやらアメリカでは鳩山首相の普天間基地移設問題は袋小路に入り込んだと見られているぞ、今こそ国内で鳩山叩きをするチャンスだ、とばかりに日本のマスメディアもここぞとこのニュースを取り上げ、鳩山退陣説を撒き散らしているというのが現状である。

まぁ、マスメディアははやく民主党政権を崩壊させたい訳でいつものことだから特に驚きもしないけれど、そろそろいい加減にしないとヤバイですよ、このままだと大恥かきますよ、というのが今日のブログの趣旨である。

 ↓
岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「日米同盟の意味を、締結した政治家や官僚も含めて、誰も知らなかったんです」〜1月14日、孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー1

岩上「この度の『日米同盟の正体』という著書の出版、まことに時宜を得た出版だったと思うんです」

孫崎「ありがとうございます」

岩上「まず冒頭から『日米安保』と『日米同盟』というのは、我々、どういう違いがあるのか、特に意識もせず、よくわからないままに混同して使われていると。それはマスコミもそうだし、ことによると政府すらそうです」

孫崎「そうなんです」

岩上「この中で、2005年に調印された文書が非常に重要であると」

孫崎「そうですね」

岩上「『日米同盟・未来のための変革と再編』、こんなことを知っている人、ごくわずかかもしれない」

孫崎「本当にわずかだったんです」

岩上「これがね、びっくりしまして。実は先日、岡田外相にこのことを質問したんです。今、外務大臣の会見がオープンになっているものですから、我々のようなフリーの者も出られるようになりましたから」

孫崎「ほー」

岩上「というのは、先日(1月12日)、ハワイで岡田外相はクリントン長官と会談してますね。日米関係がギクシャクしているんじゃないかと、マスコミにさかんに言われているこのさなかに、両外相が会談をすると。その直前の記者会見で、他の記者から色々質問が出た時に、『日米安保』とか『日米同盟』という言葉を混同しながら使っているのに気づいたんです。

 これに対し、岡田さんという方は、頭の良い、非常にきちんと言葉の定義を使い分けながらする方なんで、『私は安保とは言ってません。同盟と申しましたよね』と、記者の言葉を訂正しながら話していたんです。

 で、これはいい機会だと思いまして、手を挙げまして、『先程から「日米安保」ではなく「日米同盟」のあり方を見直すため、その話をするためにハワイでこれから会談を行うとおっしゃっていますが、そもそも、安保と同盟の違いは何か』。
そこで孫崎さんのお名前を出して、『元外務省国際情報局長の孫崎さんは「日米同盟の正体」の中で、同盟と安保というものの違いは、まず、カバーする対象が、安保の場合は極東。ところが同盟の場合は世界中、アメリカの国際戦略のあるところ、どこへでも日本は追随する』と」


孫崎「はい、はい」


岩上「それから、『日本を守るというものから、アメリカの戦略に追随するものへと、その目的とか理念とか性質が変化してしまっている』と。『これはどういうことであるのか、我々は全然わかっていないんだけれども、大臣のご見解と定義を教えてください』と」


孫崎「ほー(笑)」

もう この段階で
日本の教科書の全て書き換えなければならない程の可能性があるかもしれない話
と妄想してしまうが 先に進む。


岩上「そうしましたら、岡田外相は、長く答えてくれたんですよ。私は3つあると考えると。
 従来から、60年代からある日米安保。50周年を迎えます。
 それから日米安全保障同盟。
 それから日米同盟。

3つの概念だと。

 ちょっとそれは、やっぱり腑に落ちないところもあり、やはり口頭で話しているものですから。

 じゃあ、その3つあるというのを、それぞれの性格と、それを基礎づける文書とか条約というのは何になるんですかと、重ねておうかがいしたんです。


そしたら、
橋本さんの時代に交わされた条約
これがひとつ日米安全保障同盟の基礎になっていると。

どうも岡田さん曰く、
安保はみんな分かってると、
日米安全保障同盟と彼が言っているものが、
孫崎さんがおっしゃる『日米同盟』に相当して、
日米同盟というのはもっと広い概念で、
国家全体の文化も何も包括して両国が緊密な関係であるというようなものを含む、
というふうに私は理解していると。



こういう言い方でおっしゃっていました。

 そこをですね、出発点として、それが正しいのか、間違っているのか。あるいは、正しい、間違っていることではなく、そういう解釈もあり得るということなのかもしれませんが、どうなんでしょう、考え方とか。そういうことでよろしいのかどうか、色々そのあたりを」
結論を先に 俺的な乱暴に極まりない言い方で書けば
 もはや日米安保なんてものは実効していないんじゃね?
 やっぱり日米和親条約の当時に戻ってるよねwwwwwww
という事になる気もするが 先に進む。


孫崎「まずね、今お話されたことの繰り返しになるかもしれませんし、本の繰り返しになるかもしれませんが、

日本の多くの人に、日米関係の基礎は何ですか
というと、それは安全保障ですと。

ではその安全保障の基礎は何ですか
というと、日米安保条約と、こういうわけです。

今も日米安保条約の50周年で、記念をしてやっていきましょうと。
ということですから、多くの人は、
日米安保条約が基本的に日米を決めているもの と、こう思っているわけですね。


ところがご指摘のように、一番明確なのは、
橋本さんの時と、
2005年と、
やっぱり違うんです。


どう違うかというと、
橋本さんの時にはまだ、世界戦略というところに踏み切っていない。
それから世界戦略とかつ地域を世界に展開するということと、
それからアメリカの戦略と一緒になってやると、
日米共通の戦略というものに対するコミットは
橋本さんの時にはないんです。

だからもしも外務省が、いや、変質は橋本総理から始まっていると言えば
これは事実ではないんです。

じゃあどこから始まったかというと、
これは春原(すのはら)さんの『同盟変貌』(日本経済新聞社)という本がありますけれども、
日経新聞の。2002年ですね。
2002年にイラクに対して日本が入っていけということとセットに、
この日米同盟案が出てきたわけです」


岩上「2002年」


孫崎「ええ、2002年、あるいは2003年ですかね。2003年、これから日本もイラクへ一緒に行けという話と」


岩上「イラク戦争に」


孫崎「イラク戦争とセットにして出てきて、この時の向こうの中心人物がローレンス(Lawrence Korb)。国防総省の次官補だと思いますけれども、対日関係ずっとやっていた。ということで、世界の戦略に、アメリカの戦略とともにあると、いく(イラク戦争へ共に行く)というものは、2002年の前にはそんなに明確な形にはなっていない。

で、それが交渉が始まって、ドキュメントとして出てきたのが2005年の10月。だから、そういう意味では2005年というのは大変な変革なんですけれども、外務省も防衛省も変革があったという説明はしていません


岩上「そうですねえ。一般の人たちも全然知りません」


孫崎「一般の新聞も、私も全部調べたわけじゃないんですけれども、新聞記者に聞きますと、日経新聞が全文を(掲載して)印刷しているんです。印刷はしているけれども、解説はないんです。だから……」


岩上「意味が分からない」
日本の外交の根幹「日米安保」が決定的に変質しているのに
その中身の事を殆ど誰も知らない という悪夢が此処に在る訳だ。
教科書を全て書き換えなければならない程の大事件を 誰も知らされていない
というのは もはや 悲劇という言葉でも 悪夢という言葉でも 表現が甘い気がする。
とりあえず これだけは書いておく
 2005年10月
  ↓
 小泉純一郎の総理大臣の在任期間
 2001年(平成13年)4月26日 - 2006年(平成18年)9月26日
  ↓
 町村信孝 外務大臣
 第2次小泉内閣 改造内閣2004年(平成16年)9月27日〜終了年月日 2005年(平成17年)9月21日
  ↓
 郵政選挙 2005年10月
  ↓
 麻生太郎
 2005年10月31日 - 外務大臣に就任。(第3次小泉内閣 改造内閣)

先に進む。


孫崎「意味が分からない。意味が分かっていた人というのは、私はあの時日本にほとんどいなかったんじゃないかと。

というのは、基本的にこの文書は、ご覧になってあるように、
正文英語で、
日本文は正文じゃないんですよ。

ということだから、明確に英語を出してきて、それを日本が訳したと。こういう状況だと思います。それぞれの意味合いというものを」


岩上「安保条約はそうじゃないんですよね」


孫崎「もちろん、日米両方が正文ですね。
ということで、

基本的には米国が提案してきたものを日本が日本語に訳しているというので、日本語の文書でこの議論をしてもしょうがないことになっているんです」


岩上「ええっ!?」


孫崎「仮訳です。日本語は仮訳なんです。日米同盟の、英語はちゃんとなっているわけですけれども、仮訳なんです」


岩上「これが意味するものはですね、どういうことなのか、というのは、我々には、すぐには分からないんですけれども、非常に一方的なアメリカへの追随の象徴のような感じがするんですけれど」


孫崎「私もそう思います。というのは、要するに、条約であったり合意というのは、両方が国家の利益、National Interest を出して、それで何といいますか、お互いの合意でもって出てくるわけですから。


この2005年10月の雰囲気というのは、もう文書がそもそも向こうから出てきているということですよね」


岩上「何というんですか、その調印に至る過程も、よく分からないんですか」


孫崎「だから、ということだから、この文書がどういう理念を持っているかということは、向こうの人は分かっているけれども、日本は分かっていないんですよね」


岩上「大変なことですね」


孫崎「大変なことだと思います。
だから、この当時、この文書の意味合いをどこまで分かっていたかというと、この文書(の署名者)は、防衛庁長官と外務大臣ですけども、多分その時調印した時には、その人たちは意味を分かっていなかったんじゃないでしょうか」


岩上「大野防衛庁長官(大野功統)と町村外務大臣(町村信孝)」


孫崎「はい。私はそう思いますけど。その当時、私は外務省の人の説明を聞いたんですけれども、これは調印したけども何の変化もないという説明をしてるんですよね。ある部内の勉強会では。ひょっとすると、それは本当にそう思っていたのかもしれない」


岩上「何かこう、少し人を騙すような話ではなく、騙しているのではなく」


孫崎「なくて、本人(担当官)も別にそんなに重要な変化があるとは、気付いていないのかもしれない」


岩上「それは外務省の高官といいますか、官僚ですよね」


孫崎「ええ。それはどういうことかと言うと、やっぱり93年ぐらいから、アメリカの戦略というものがどうなっているかということを考えなきゃいかんいわけですよね。それをあんまりしてないから」


岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「05年の日米同盟についての文書は、すでに日米安保も、憲法も超えている」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー2

孫崎「例えば、ここに、私はよく言うんですけど、じゃあ共通の戦略というものにどういう問題があるかと。地域でもってね、共通の戦略というのが出てくるわけですけれども、ここで何が問題かというと、『国際的な安全保障関係の改善』ということが書いてあるんですね。共通の戦略というのは基本的に『国際安全保障環境の改善』と、この言葉をもしもお聞きになって別におかしいと思いませんでしょ。ところが、これはものすごい深刻な意味合いを持っているんです。

というのは、どういう時に軍事力を使ってよろしいですかというと、これは、巻頭から始まって、要するに、国家は主権がありますと、他の国は主権を侵してはいけませんと。それで軍事的な行動をとる時には、どこかの国が攻めてくる、あるいは緊急事態になっていると、そういうような時に限定して軍事を使いましょうと、こうなっている。

米安保条約も、国連憲章を守るために日米安保条約がある。これと違反するような行動はしないと言っている。そうすると、サダム・フセインでもいいですし、あるいはイランの宗教体制でもいいですし、アフガニスタンでもいいですし、あるいはサウジアラビアの王室でもいい。こういうような体制を西側のような体制に直すということは、『国際安全保障環境の改善』なんですよ。特に2003年、イラク戦争が終わった後、アメリカの方は中東の民主化ということを言いました。中東の民主化をやるために軍事力を使っていいということになりました。

ということは、今までの流れと全く違った、国際理念と違い、そしてかつ、日米安保条約の根幹に触れるところとも違っている。かつ、日本の憲法を見ていただけると、日本の憲法も国際紛争を解決する手段として軍事力を使わないと言っているわけですね。日本の多くの国民は、自衛力は、自衛隊は国を守る自衛というものでは否定されていないと。というけれども、国際紛争を解決する手段として武力を使っていいということを表向き言っている政治家はいないわけですよ


岩上「そうですね、はい」


孫崎「そうでしょ。ということで、安保条約の理念とも違う。憲法の理念とも違う。それが堂々とここでね、書かれていて、何の疑問も持たないで、署名がされている


岩上「憲法を仮に拡大解釈していっても、その自衛権の発動というのを極限まで広げても、無理ですよね」


孫崎「無理ですね」


岩上「要するに、自国の利害と関係のない第三者の紛争なりなんなりに、一方的に介入していく」



孫崎「もっと悪いんですよね。というのは、憲法の場合には国際紛争の解決の手段としてでしょ。これは『国際安全保障環境の改善』なんですよね」


岩上「それはどういう意味ですか。『国際安全保障環境の改善』とは……」


孫崎「ということは、どういうことかと言うと、金正日というのを例にしましょうか。北朝鮮が例えばミサイルを撃つ準備をしますと、そういうような時に、ミサイル攻撃を排除するためにやるというのは、ある意味で国際紛争を解決する手段ですね。ところが、金正日というのはあいつは、ひょっとすると考え方がノーマルではないと、だからあれを先に排除してしまおうと」


岩上「暗殺するとか」


孫崎「とか、そのために軍事力を使おうと」


岩上「先制攻撃を加えるとか」


孫崎「ええ。ということだから、さらに(過激な方向へ)行っているわけですよ」


岩上「要するに、どうにでも解釈できるわけですね」


孫崎「そういうことです」


岩上「武力を行使するとか、そういうような文言は使っていないけれども、逆にだからこそ自由な解釈がどこまでもできる」


孫崎「そのための共通の……。これは自衛隊と、見ていただけると、共通の戦略のために両方はできるだけのことをすると、こう言っているわけですから。だから、あくまでもそれは、軍事力を行使するという前提でやっているわけですからね。大変なことを実はこの文書は書いてるんですね」


岩上「それは大変ですね。でも、おそらくこれについて問いただしたら、こういうふうに言い逃れるんじゃないかなと思うのは、憲法というものがやはり上位にあり、そこにタガがあって、その範囲の中で、今言った国際安全環境を……」


孫崎「もうそんな範囲を超えています」


岩上「その枠内でしかやらないよという……」


孫崎「そんなことない、もう超えているんですから」


岩上「これ、憲法よりも上位なんですか?」


孫崎「上位。上位というか、もう憲法の枠内は全然かかっていませんから。あるいは、安保条約の範囲もかかっていませんから。安保条約は、さっき言ったように、国連憲章の理念を守るためにやり、国連憲章の理念と反するようなことは慎むと書いてあるわけですよ。ここはもうそんなものは、全然とっぱらっているわけですから。

だから大変なことを、実は……」


岩上「これは、国会で審議とかしなかった?」


孫崎「しなかった。というのは、ジャーナリストだって、問題提起しなかったわけですから。




岩上「対米追随ということが、極端に進んでしまって、もはや『思考停止』ですよね」


岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「ある時期から、自民党の世間は、米国の戦略を検証する機能を失ったんじゃないですかね」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー3

孫崎「恐るべきことが起こった。で、そこにこの本(孫崎氏の著書『日米同盟の正体』)を出したものですから、みんなびっくりしたわけですよね」


岩上「私もびっくりしました(笑)」


孫崎「それで、特に、そこは非常に良かったんですけれども、民主党の議員は10人ぐらいがブログを書きましたよね。『自分は国会議員であって、こういうことに関心があるべきなのに、正直言うと私は気付いていなかった』と」

(※一部の例を挙げると
藤末健三参議院議員 2009年04月26日付
齋藤勁衆議院議員 2009年04月24日(金)付
峰崎直樹参議院議員 News Letter 717号2009/03/30 付
藤田幸久参議院議員  2009/3/31付 
などがある)

岩上「たとえばどういう方ですか」


孫崎「それはちょっと申し上げると。民主党の議員は自分のブログでそう書いておいでになりますし。公明党も太田代表がブログに書いて赤松(正雄衆議院議員)という安全保障関係の方が書いて、面白いのは、赤松さんが最近、私のもう一つの『情報と外交』という本がありますけれども、あれを見て、自分のイラク観というのは間違っていたと。ということを今、告白されていますよね」


岩上「正直な、というか誠実な反応が、政界の中から出てきていると」


孫崎「ええ、出てる。そう」


岩上「知ったかぶりでもなく、誤魔化しでもなく。

例えば、当時の政権の当事者というのは自民党じゃないですか。
自民党の議員さんたちからはどうですか?」



孫崎「自民党は、全く反応しないですね」


岩上「読んでないんですかね」


孫崎「うん、目をつぶっている」


岩上「それは読んではいるけれども……」


孫崎「いや、読んでもいないでしょうね。もうある時期から、自民党の政権というのは、米国の戦略をやる(従順に従う)ということが正しくて、それを検証するという機能を失ったんじゃないですかね」


岩上「そうですね、これは本当にそう思います。いつ頃からでしょうか」


孫崎「やっぱり93年ぐらいからです。93年というのは湾岸戦争があって、それであそこで、私の本の中で書いている非常に大きなポイントは、アメリカの戦略というのは93年に変わったと。これからさっきのね、イランであれ、イラクであれ、北朝鮮という体制を変革させるために、危機が来るんじゃなくて、体制を変革させるために行動すると。だから国際環境を良くするためにいくと。その時にアメリカだけがやっていたんでは問題だから、日独を組み込んでいくと。というのが93年ぐらいからの戦略なわけですよね」


岩上「これは日本では一般的には、ブッシュ時代に――パパブッシュではなく、ジュニアのブッシュの時代に――いわゆる9.11の後のアメリカの単独行動主義というのが現れた、あるいはネオコンが台頭したというふうに言われているんですけれども、ずっと起源は前なんですね」

ソ連崩壊直後から と見るべき、という話が続き、そして

岩上「こういう戦略をわかっていて、自民党あるいは当時の官僚たちは……」


孫崎「勉強しなかった」


岩上「そうですか。これを重々、アメリカの裏も分かった上で、保守勢力というのはアメリカ追随政策を……」


孫崎「それはない。残念ながら、そうではない」


岩上「保守論壇誌なんかに書いているような論客や、保守政治家の文言の中には、『十分我々は、アメリカの意図を分かった上で、選択的に、追随していく。それが国益に適う』と論じている人もいる。それはある程度信頼できると思われている、というか、信頼している人も多いと思うんです」



孫崎「言えることは、
93年ぐらいから
日本を使う というところで、
日本を使うための論理を構築したわけですよね、アメリカ側は。

その論理をそのままオウム返しに喋っている人はたくさんいる。
しかし、その論理(の中身)をまずは横に置いてね。
自分でアメリカの戦略がいったいどうなっているか、
その中で日本をどう位置づけているか、
そういう形で論じた人というのは保守論壇にいないんですよ



岩上「相対化していないということですよね」


孫崎「その非常に代表的な例は、湾岸戦争の時にね、日本はお金だけ出したと。それで人を出さなきゃいけなかったと。これが一番の、ある意味で明確なメッセージだったわけですけれども、これは私の次の『情報と外交』という本の中に書いているんですけれども、事実とは違う」


岩上「事実と違う」


孫崎「いくつか事実は違うんですけれども、その時に日本は軍事力を出さなければ世界で評価できない空気ができたわけですね。それについて、外務省の当時の駐サウジ大使の恩田(=恩田宗)という人が述べているんですけれども、あの当時の世界の空気、例えばシンガポールのリ・クアン・ユーは、日本はやっぱり軍隊を出さない方がいいんだと。アジアの人はそれを歓迎すると、こういうことを言っているわけです。

それからその後、たまたまクウェートのニューヨークでの新聞等は、評価の中に日本を入れませんでした」


岩上「感謝するという中に入らなかった」


孫崎「入らなかった。ところが、それについてはクエート政府は、あれは在米大使館にある我が方の代表機関のチョンボであると。我々は日本の貢献を非常に評価すると。ということで後々、戦勝に関する記念切手の時に日の丸もちゃんと出ているし、戦勝記念館というところにも、日本の貢献はどうなっているかということを言っているので、日本を評価しないということは、あの地域でもないと。

しかし、意図的に日本がオン・ザ・ブーツというか、人が出て行かないと貢献できないというものを盛んにやられていると。それを日本の世論に持っていったわけですよね」


岩上「それはもしかして、今、チョンボとおっしゃりましたが、本当に不作為なのか。あるいは不作為ではなく、作為的に一度そういうことをして、そして日本の世論を沸騰させるという情報操作の可能性は……」


孫崎「もう情報操作ですよ」


岩上「ではチョンボとおっしゃいましたけど、不作為では実はなくて作為なんですか、ひょっとして」


孫崎「そちらの方向にもっていくのは、これはアマコストが中心になって動きましたから。アマコスト自身が彼の文書の中で、『我々の努力によって日本の世論が変わった』と言っていますから。


だから、日本が自然に、周りを見て、やっぱり我々は反省しなきゃならないと言ったんじゃないんですよね。アメリカから、こんなことをやってると評価されないということを言い続けられて、そういう具合に変わっていったんです」


岩上「そんな気になってしまったと」


孫崎「はい」

ネットが無い時代 その情報操作に抗しきれるは 極めて難しいよね。
でも今は ネットがある、
「自分の頭で論理を構築していく」
に必要なだけの材料を提供してくれる人まで辿り着くは 意志とやる気の問題だけだ。
そしてなお
マスコミ新聞テレビ大手メディアに同調する論理構築で満足している人達には
なので 結局に何を言っても届かないんだろうなぁw と思うしかないね。



岩上「90年代初頭は、現代の日本の政治の転換点ですよね。93年と言えば、自民党が分裂して、小沢さんたちが自民党を割って出て行って、細川政権が誕生して、という動き。そして現代に至る二大政党制を模索する動きが始まってた時期ですね」


孫崎「非常に重要なときで、そこで、細川政権の時に安全保障というのはロシアが崩壊した後、じゃあ日本はどうしていこうかということを考えるグループも、その頃できたわけですけれども、そこでの一番のプライオリティ(優先順位)は国際世論と手をつなぐと。第二に日米安保だということを言った文書を出したのが、つぶされたわけですよ」


岩上「つぶされたんですか」


孫崎「それはつぶされた。実体的につぶされてしまった。その勉強会というのは細川政権の時に始まっているんですが、しかし、そのすぐ後、細川政権が崩壊してしまう。村山総理にそれを提言するわけですけれども、すぐその後にナイ・レポートが出るわけですよね」


岩上「ここでジョセフ・ナイが登場するんですね」



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posted by 誠 at 06:25| Comment(0) | TrackBack(0) | (゚∀゚) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「日米安保」と「日米同盟」は全く別モノ その2

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岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「小沢一郎は、アメリカにとっては危険な政治家です」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー4

岩上「この時、細川政権があった後、自社さきがけ連立政権が誕生していきますよね。この時に不穏な動きがありました、これはちょうど、先生も書かれていますけれども、アメリカ側があからさまに人事介入をして、『武村官房長官を外せ』と圧力をかけた。

 我々は、どこかで日本はアメリカの属国、属領で、いまだに色々な意味でコントロールされ、支配され、占領下に事実上置かれているんじゃないかという懸念を抱いてはいるけれども、普段はあまり感じない。

 でも、そういう人事介入というのは、あからさまな属国に対する宗主国の態度と言いますか。で、実際政権は崩壊しているわけです」


孫崎「基本的にそれは多分、歴史的に見るとかなり頻繁に起こっていることなんですけれども、関与した人がそれをそうだとは言わないわけですよ、なかなかね。ところが、細川政権の武村さんの件については、前の防衛長官、女性の、池袋の」


岩上「小池百合子さん」


孫崎「小池百合子さんが、自分のブログの中でそれを説明しましたから


岩上「他でもこれは色々なところで出ているみたいですね。僕も複数、確認できました」


孫崎「なるほど。これに類したもの(アメリカ側の日本への人事介入圧力)というのは、これまでいっぱいあったと思います。あったけれども、それに関与している人たちが、ああいう形で説明するということはなかったから」


岩上「核の密約と同じように、日本の人事をアメリカに自由にされてきて、そして言ってみれば自民党がアメリカの意を受けている、いわば、アメリカの傀儡政党のように機能していた部分があると」


そして以下の話は そもそもの日米安保の話に絡み
ネット上で知る人も少なくはない部分だけど おさらいも含めて

岩上「もしかすると自民党のスタート点からして、そうだったのかもしれません。吉田さんが、後で排除されますけれども、いったんは長期政権を敷いた。その前にそもそもは、鳩山一郎さんが自民党を作りました。日本の戦後の55年体制のスタート点というのは、鳩山総理として、鳩山自民党としてスタートするかもしれなかった。ところが、なぜかそこで、公職追放という形になったりしました。その後病気もされますから、なかなか思うようには首相になれなかった悲運の方なんでしょうけれども、鳩山一郎さんは、今の鳩山総理のお祖父さんにあたるんですよね。

 当時、軍事的な独立もはっきりと明言していた方で、かつ東アジアに対して、今の鳩山総理が言っているような理念、友愛の理念も語った。これは当時の占領軍のアメリカにとっては、非常に不都合なことを言う人物だったでしょう」


孫崎「それは分かりません。それは分かりませんけれども、吉田総理の方が好都合な人物であったことは間違いないですね(笑)。しかし、その吉田総理が、おっしゃったように、後は排除されていく。

 なぜ吉田総理というものを出してきたかというと、吉田総理というのは、ある意味戦後の歴史の中で、日米関係でアメリカにとって最も望ましい総理であったであろう人も、晩年は排除されていると。そういう意味で吉田総理というものの位置づけをエピソードとして出してきたんですけどね。

 その他に、アメリカから見て、歴代の首相がどれくらい自分たちに都合が良いかというと、吉田総理のランクまで、みんながみんな行ってるわけじゃないですから」


岩上「あとやはり岸さんということになるんでしょうか」


孫崎「ええ、そうですね。岸さんは非常に……」


岩上「日米安保を改訂し……」


孫崎「そういう意味では戦後の日本を、基本的に軍事的にニュートラルにすると、それで日本の軍事力がなければ、世界の平和があるみたいな雰囲気だったのが、冷戦構造の中で日本を利用するという方向に切り替えたわけですよね。そこで岸さんであるとか、その他の財界、政界、いろいろな人が復権してきましたよね」


岩上「A級戦犯だった人たちが、あるいは公職追放されていた人たちが復活してきて。ある種、アメリカの意を受けた政財界のリーダーになって行くと。岸さんに関しては、CIAの資金が投じられたとか、そういう事は今もうすでに、アメリカでドキュメントが発表されて『CIA秘録』だとか色々な本でも書かれています」


孫崎「本当ですよね。春名幹男さんですか、あの人の本もかなり詳しいですし。色々なものが今出ていますよね。それから有馬さんの『CIAと日本テレビ』という本もありますし。歴史的には多分米国が介入していたことを信じてよさそうな文献というのがいっぱいありますからね。それを前提に考えていいと思いますよ」


岩上「我々の過去の歴史は、そういう歴史で積み重なって、ともあれ、その中でさしたる紛争に巻き込まれることもなく、高度成長を享受し、すっかりこれが良いものだと思い込んできた」


孫崎「そういうことです」


岩上「長い50年があったわけですね。でもこれは冷戦を前提としていますから、あくまで共通敵である、というか、アメリカにとって非常に不都合な敵であるソ連という存在があって、それに対する防波堤というか、利用できる基地として、あるいは経済的なパートナーとして、日本というのは非常に利用価値があった。ですから、日本の国益になる、例えばアメリカの市場を開放していくこと、そういう経済的利益も考慮してきた。

 ところが冷戦が終わり、ソ連がなくなり、もう一回日本の再利用をしようということで、新たな戦略を組み立て始めた。これがナイ・リポートであったりして、だんだん日本を組み込み直す動きが、アメリカで始まるわけですよね。」

そして 其処から先、本当の今 本当の現在と直結する部分

孫崎「その時に、もう一つ言うと、冷戦が終わった時に、米国の国民にとっての一番の脅威は日本の経済力だったわけですよ。だからその時の選択肢として、米国はロシアがなくなったあとも、軍事介入続けるという方針をとりましたけれども、それをとりつつ日独を、アウトサイダーにしておくわけにはいかなかったんですよ。

 積極的にアメリカがサバイブする、アメリカが競争に負けない、その為には日独を、アメリカ戦略の中に組み込まなきゃいけないという新たな要請が出てきたわけです」


岩上「それは、結果として日本にプラスだったのか、マイナスだったのか。どうなんでしょう」

孫崎「基本的にはマイナスでしょうね。よく分かりませんけれども、非常に変な言い方なんだけれども、今から考えればね、要するに92〜3年ですよね。日本の経済が世界の最高になっているわけですよね。その世界の最高がなんで経済の仕組みを変えなきゃいけないんですか。

 もしも世界最高じゃなくてドン尻だったら、経済のシステムを変えなきゃいけないという議論が出てくるのは当然ですけれども、一番の頂点にある人間が、なんで今のシステムはおかしいと言って、ガラガラガラガラ変えるんです。」


岩上「年次報告書とか……」


孫崎「いろいろなものがね。だからそういう意味で、それを一つ考えても、日本独自の動きというものが90年代の始めに止まったと。だから経済も安全保障もみんなそこで止まってしまった」


岩上「もしもの話になりますが、その時に93年頃、非常にキーになった政治家というのが小沢一郎でした。もちろん小沢氏一人で何もかも決められるわけではないですけれども、自民党を割って、とにかく変えていこうという一つの姿勢を見せた政治家であり、今も現在も鍵になる政治家でありますね」


孫崎「その時の受けている印象はね、私は小沢という政治家を研究している人間でもないし、実態がどうなってるか分かりませんけれども、今と93年の時の小沢さんと違うのは、日米関係強化という方向の旗頭が小沢さんだったんですよね」


岩上「93年頃は」


孫崎「うん、というのは、例えばどういうことかと言いますと、あそこで日本が湾岸戦争で日本が資金提供しますよね。これなんかも小沢さんが、かなり先頭切っていましたしね、ただ普通の国にという言葉でもって軍事的に行くという切り替えも小沢さんが先導していましたから。そういう意味では、93年ぐらいは小沢という政治家はアメリカはそんなに警戒しなかったかもしれない。そこは今とちょっと違うんじゃないでしょうかね」


岩上「今は、(アメリカにとっては)危険な政治家になっている」


孫崎「危険な政治家だと思いますね(笑)。というのは、常駐なき、駐留なき米軍、ということを言っていますから。こういう台詞は、やはり危険な政治家じゃないですかね」


岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「日本の異様さというのは、マスコミの異様さ。政治を混乱させてどうするつもりか」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー5

岩上「(小沢氏に対する)ものすごいバッシングの中で、昨日(1月13日水曜日)、強制捜査が入るという事態です。これはどのようにご覧になりますか。国内の官僚の抵抗というふうにも……」


孫崎「やっぱり、実際問題としてどうなっているか分かりませんけれども、推測からいきますとね、一番最初に小沢さんの問題が始まったのは西松建設だし、西松建設と、もしも小沢さんと、推定ですけれども、建設業界が密着しているということであれば、国内にいろいろな材料があるわけですよ。でしょうね、普通は。

 しかしスタートは、外為法か何かで外国から出発していますよね(2009年2月3日、外為法違反で西松建設の前社長と元副社長が起訴された)。ということからいくと、単純に日本の国内だけの動きでないかもしれない」
(※「西松建設前社長、容疑認める 外為法違反事件」2009/02/04 12:53【共同通信】)


岩上「ロッキードと同じだと」


孫崎「いや、それは分かりませんよ。分かりませんけれども、スタートはね、少なくとも日本国内に問題がある動きをしてたとすれば、案件は日本国内の問題から始まっているわけです。だけど、あの問題は明らかに外為法というか外国の問題から始まっているから、単に日本の警察の能力であるとか、それ以外のものが関与していると見て、自然じゃないでしょうかね」


岩上「十二分に分かりますね。排除したいと。でもその意志が始まったのは、ここ最近だということですよね」


孫崎「ここ最近ですよね。だから一番最初は西松建設のところから始まりましたからね」


岩上「そういう見立てでいくとですね、今日の朝、実はラジオに出演してきた(ニッポン放送「お早う!GoodDay!」)んですけれども、ラジオでもお話したんですけれども、今のマスコミは論調が一色ですよね。この状況は大変気持ち悪い。私はこれは納得できないと。全て検察からのリークですよね。今起きていることは『小沢疑惑』と書かれているんですけれども、実際に立てられている被疑事実というのは石川さんの政治資金収支報告書の記載もれという、もう形式犯でしかない。

 それでこれだけのガサをですね、強制捜査を、全国の関係各所に、二度も行っているわけですよね。異例であり、しかも、すでにできあがってしまっているストーリーを新聞が、毎日毎日書いているわけですよ。膨大な報道量です。これは全部、検察リーク情報です。現実にはまだ誰も、悪質な犯罪で検挙されてはいない。検察の狙いは小沢さんだろうと目されてはいますが、誰が容疑者で、どんな犯罪要件で、どんな被疑事実があるのかを、検察はまったく示すこともなく、捜査に入って……」


孫崎「しかし政治的にはものすごく大きい」

岩上「ダメージで」


孫崎「意味を持っていると」


岩上「はい。こんな異様な光景を見ることになるとは思わず、非常にショックを受けました。実は、この2〜3日前に小沢さんの定例会見があったんです(1月12日)。その定例会見に120人くらいの報道陣が集まって、そこで、当然報道陣はみんな、気色ばんでなぜ答えないんだ、なぜ事情聴取を受けないんだと」


孫崎「部分的ですが、その場面は見ました。全部見ているわけじゃないんですが。」


岩上「私はその中で、これはおかしいと思いますと手を挙げて言いました。検察が、こういう形で容疑事実を示さずに別件に別件を重ねて、さらに推定無罪ということも、それから人権ということも、冤罪の可能性ということも、全部念頭になく、しかも公務員の守秘義務違反を犯して連日のリークを行っている。公務員守秘義務違反のほうが、はるかに政治資金収支報告書の記載漏れよりも罪は重いですよね。

 にも関わらず、これだけのリークをして。そこにいる記者たちはみんな直接的か間接的かを問わず、リークされています。リークされている記者だらけの中で、私はリークされていない記者として、そこにいる人達を思いきり挑発した形になるんですけれども、この人権のなさと言いますか、この状況をどう思うかと、小沢さんに質問したんです。

 他の人間に当てはめたら大変な人権侵害だし、小沢さん自身のことをカッコに入れてもらってもいいけれども、こんなことが日本で許されていいのか、お考えを聞きたいと言ったら、小沢さんは『他の普通の人にこんな事が起こったら困っちゃうけれども、私は政治の中に身を置いているから、甘んじて受けます』と」


孫崎「なるほど」


岩上「意外でした。国策捜査であるとか、何かそういう反応がくるかと思ったんですよ。それが全然予期しない反応で、随分淡々と落ち着かれているなあ、という印象ではあったんですよね。

 そういうような、私、ちょっとマスコミの論調とは逆のことを言ったりしてきたんですが、さすがに昨日、今日の強制捜査の報道を受けた後は、ラジオに出演した後、ネットなんかでもtwitterなんかでも、ものすごく検察批判をする人達が増えてきている。マスコミは全く反映していない、取り上げていないんですけれども、あまりにもひどいと。暴挙であると、一般の国民も思い始めてきている」


孫崎「本当にねえ、まあ、日本の異様さというのは、マスコミなんですよね。これが、何時の時点からか分かりませんけど、言葉は正確か分かりませんけど、編集権ということで、非常にその色彩の強い、事実についても色彩の強いものを報じていくと。

 わかりませんけどねえ、例えばニューヨーク・タイムズであるとかワシントン・ポストであるとか、それはかなり政治色の強いものを打ち出しますよね。例えば大統領選挙の時には。どの候補を応援するとか。しかし、左派・右派問わず、論評も掲載していますしね。まして事実関係は掲載しているけれども、日本の今のマスコミは事実を含めてね、自分たちの主張と同じものを載っけると。それが権利だという言い方を始めているわけですよね。

 だけど本当は国民はそれを望んでいるわけじゃないわけだから、何かジャーナリズムのあり方ということを、新聞社と国民の望むジャーナリストの間に、大きな乖離ができていると思いますけどね」


岩上「できていると思います。そして特に民主党政権になってからですね、その逆風でまさに一色になってしまった。今までの政権であれば、何か一つのマターとかイシューがあればですね、必ずそれに対して反対、だけれどもこっち側に賛成がいる、というか。やっぱり世論が割れるような、新聞でも論調が割れるようなことがあったけれども、今起こっていることは一色です。しかも、そこにいる人達は、絶対に気付いているはずなんですよ。自分たちが異様なことをやっていると。

 まさか、全ての新聞記者が、これを何とも疑問に思わないとは、思わないです。ところが全部一色になっている。そして東京地検、ここまでやる。こういう事を言うと、僕が民主党寄りだとか、小沢シンパだとか、そういうことを言われますが、そうではなくて、これが自民党に対して起きても、僕はこれは異様だと思いますし、こんな無茶苦茶をやってはいけないと思います。

 ただ、そこにさらにアメリカの影というものが重なるとですね、非常に複雑な問題になってくると」


孫崎「今から1ヶ月か2ヶ月前にね、イギリスの保守党の指導者が、我々は政争に明け暮れる時期ではないと、今、英国というのは大変に危機があるんでね、政争を止めて両党が協調して国の立て直しを図る時期だと、ということを言っているんですよね。

 私は、今まさにその時期に日本は来ていてね、小沢さんであれ、鳩山さんであれ、そういう人を捕まえて混乱させる時期ではないと思いますけどね。

 というのは、今、日本は、国家としての危機があって、いかに政治、官僚をつぶしたわけですからね、官僚機構はもう働かないように今、一応はなった。そして政治が全部主導しなければいけないと。その中で政治を混乱させてどうするつもりなのかと。

 それにはやっぱり私は、メディアは答えなければいかんのじゃないかと思いますね。日本を混乱に落とす、その一環として現在の動きがあるわけだから、それをも無視してやらなきゃならない巨悪が潜んでいるのかどうか。そこは答えなきゃいけないと思うんですよね」


岩上「もし非常に悪質性の高い、重要な汚職であるとか、というものが潜んでいる場合、それはなんであろうと排除しなければいけない。ただし法に則って、ということですね。だけれども、検察がやっている捜査手法は、適正な手続きに則っていない。その行使の仕方自体に脱法的なところがありますよね。正当化できない。しかもそもそも何の被疑事実でやろうとしてるのか、誰も分からない。

 こういう事が、このタイミングで行われてる。非常に政治的で、国策捜査というか、国策という言葉はおかしいですね。国の策というより国そのものに向かってやっていて、今、民主党は野党じゃないですからね。今与党ですから」


孫崎「本当に。だから普通だとね、この異常さというのは、普通は、それを考えていて、私、やっぱり一つ疑問に思うのは、官僚もそうですけどね、必ず、日本の権力に迎合する勢力が、大体中心になるわけですよね、メディアもね。ところが日本の権力に迎合する勢力が、今メディアに出ていないというのは非常に不思議ですよね。普通だったら、(与党である)民主党ぴったりのジャーナリズムが、必ず出るはずなんですよね」


岩上「だから民主党が、権力者じゃないということですよね(笑)。誰が権力者なのか。権力とは何か」


孫崎「本当ですね」


岩上「本当に、この国家の権力というのは、まさに東京地検なのか、官僚なのか、あるいはもしかしたら、背後にいるアメリカの意志なのか」


孫崎「そこは本当にね、普通だったら権力に迎合する官僚もそうですし、それからメディアもそうですし、必ずそういう機関というのは権力と迎合するものが大体中心になるはずなんですけど。しかし、それが全く見えないというのは、不思議な現象であると(笑)」


岩上「これはどういう事でしょう?」


孫崎「それはどうぞ(笑)」


岩上「宿題いただいちゃったような感じがします(苦笑)。正直言って分からないですね。特にアメリカの動きは分からない。

一年前 西松事件直後から俺は俺なりに追っかけ続けた話と
殆ど同じ事が別ルートから話されている、
あの時 コレは絶対に徹底抗戦をしなければマズい オカシすぎる、と
何が何でも というつもりで書き続けていた。
話の中身の部分部分では 多少の間違いは有っても
本筋としては全く間違ってなかった と今でも確信を持っている。

岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「アメリカも、日本の外務省も、防衛省も、メディアも、普天間問題がうまくいかないと日米関係が壊れると言っているが、そんなことはありえないと、鳩山総理に申し上げました」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー6
岩上「米国追随から日本が離れることを、すごく恐れるかのように、3ヶ月くらい、バッシング報道が凄かったですよね」


孫崎「凄かったですね」


岩上「これも半ば捏造のようなところがあって、例えば藤崎大使がクリントン長官に呼び出されたとか、大騒ぎになりました。実際は、向こうの高官が『呼び出したんじゃない、step in だ』と言いかえて否定したり。あるいは、日本の記者が、国務省や国防総省の記者会見の際に、なんとかアメリカの高官から、『日本の政府には困っている』という言葉を引き出すためにしつこく質問している、そういうシーンが、今ネット時代ですから、全部ホームページを見るとですね、ビデオで公開されちゃって、見ることができる。言ってみれば、日本の特派員たちが、米政府の高官の『対日強硬発言』を捏造していくわけですね。そういうような事も明らかになってきたりして」


孫崎「私、個人的なことからいくと、面白いのは、1月の5日に、鳩山さんのところに行ったんですけどもね。それでブリーフをして」


岩上「官邸に行かれたんですか。」


孫崎「ええ。これがそうなんです。これが鳩山さんにしゃべった内容なんですね」


岩上「この間新聞に出た、大村の方に持っていくという話」
(※「普天間移設先 長崎・大村基地を提案 首相の私的勉強会」(琉球新報 2010年1月8日)参照


孫崎「面白いのはですね。ものすごいフォローがあるんですよね。この後、今。記事にするかどうか分かりませんけれども、大手のメディア、それからテレビ、テレビは3社、全然違ったものが追いかけているんですよね。なんかこう、これで良いの、というような雰囲気もあわせてあるんですよ」


岩上「じゃあ、ちょっと一色だったのが、もしかして変わる予兆は見えているのかなと」


孫崎「だからそういう意味ではね、面白い事に、ナイさんが言っているのとほとんど同じ時期なんですけれども(笑)。それは単なる偶然でしょうけれど。だけれども、非常に面白いんですよ。私のような考え方というのは、今ある方は2万7千いったんですよね。だからネットとかそういう方では、大変な関心がありましたけど、長い間大手のメディアは無視してきたわけですよね。ところが急にここのところにかかってきて、鳩山さん頑張るべきだという話をしているのを、ここ数日ですよね」


岩上「これについてもおうかがいしたいと思っているのですが、どういうことを提言されたんですか、ズバリ」


孫崎「ズバリはですね、アメリカも、日本の外務省も、防衛省も、メディアも、普天間問題が上手くいかないと、日米関係が壊れると、言っているけれども、そんなことはあり得ないと」


岩上「僕は、ずっとそう言い続けてきたんで、嬉しいですけど。心強いです」


孫崎「要するに普天間というのは、例えば、基地のお金に直せば、20分の1以下なんで、20分の1のために20分の19をおかしくしてもいいなんて、アメリカ人は絶対に言わないと。だから、基本的に一番重要なのは、日本の選挙の結果だから、その結果を踏まえて、日本国民はチェンジを望んでいるんだから、チェンジをやるというのが筋なんで、沖縄の反応を見ながらやっていくべきだと。

 というのを言ったわけですよね。だからそれを言って、その時にぶら下がりがあってそれを言ったけれども、あんまり関心がなかったんだけど(笑)、今はまたちょっと出てますね」


岩上「在日米軍は……、いや、米国にとって極めて重要。皮肉なことですが、日本にとってではなく、はっきり書かれていますね」


孫崎「米国にとって重要なんだから、米国自身がそんなものを捨てるなんてことはやらないと」


岩上「ゲーツ国防長官、キャンベル国務次官補等は、過度の圧力。オバマ大統領は悪化好まずと。というのはゲーツやキャンベルがこれまで日本に対して見せてきた強硬な姿勢というのは、行き過ぎがあって、これは恐らく修正されて、オバマ自身は事態の悪化は望まないであろうと。こういう分析ですよね。彼らが修正してくるだろうと」


孫崎「そうですね。その後にナイが来た(笑)。そういう意味ではナイ的な雰囲気になるんじゃないかという、そういうものになるだろうから、鳩山さんはそんなに怯える必要はないと」


岩上「ナイというのは、専門家ですから、ご説明していただきたいんですけれども、アメリカにおける対日戦略を考えていくキーパーソンですよね?」


孫崎「キーパーソンですよ。さっきの流れから行くと、1993〜4年に日本が、場合によっては、アメリカの議論の中にはアジアから撤退すべきだと、そういうような時に、いや日本というのは重要なんで、日本というものを大事にすることによってアメリカの戦略を構築していこうと、そういう事を考えた人間ですよね。国防総省の冷戦後の戦略策定に非常に重要な役割を果たしたと。

 それからハーバードというのは(※ナイはハーバード大学特別功労教授)、基本的には安全保障の、よく産軍共同体というのは言われているんですけれども、私はそれに、産軍学が入っていると思ってるわけですよね。学もストラテジーを作る。そういう役割の中の非常に重要な人間が」


岩上「名誉教授ですよね」


孫崎「ええ。ということですから、彼の発言は大きいですよね。それからそれの予兆は、ナイだけでなくって、サミュエルズ(※Richard J. Samuels。マサチューセッツ工科大学政治学部教授。)という、これはMITの政治学者がいるんですけれども、これが去年の3月に『日本防衛の大戦略』というのを書いているんです。これもあんまりキャンベルラインは好きじゃないんですよね。

 だから、私はアメリカが変わるだろうと、いうことを言ったのは、何も根拠がないわけじゃなくて、ある程度、そういう日本ハンドラーですよね、それと違う人達は、党も、ちょっと違うんですよね。日本ハンドラーというのは、日本を自分の言いなりにすることによって、自分の得点を稼ごうとする人達ですよね。だけど、アメリカ戦略を考える人達というのは……」


岩上「ハンドラーというのは、この場合代表的な人物というのは、」


孫崎「キャンベルであり、ゲーツである」


岩上「アーミテージは、どうなんですか」


孫崎「アーミテージはもちろんそっちです。で、それに対して……」


岩上「マイケル・グリーンなんかは、もちろんですよね」


孫崎「そうですね。それに対してナイなんかは、日米同盟だけ考えている人間じゃないんですよね」


岩上「もうちょっと視野が広い」


孫崎「ええ、アメリカ戦略の中に日米があるわけですよね。そういう人達は、今度の論文の一番最後の締めくくりというのは、小さな戦略、ゲームも、大局的に見ると、ものすごい失敗になると、そういう位置づけだと、こう言っているわけですよね。


 岡田外相も、記者会見で、マイケル・グリーンら共和党系の論客や政治家は、日本における反民主党勢力とも組んで鳩山内閣叩きに力を注いでいるが、米国は決して一枚岩ではないこと、日米関係を落ち着いて安定的なものにしていこうとする勢力が、米国内に存在していることも明らかにしている。

岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「在日米軍だけでなく、在韓米軍も中東を中心に世界展開のために使おうというのです。朝鮮半島の戦略的重要性は非常に減りました」〜1月14日孫崎享外務省国際情報局長インタビュー7
岩上「この辺野古のところですけれども、今重要な問題ですからお聞きしたいんですけど。米国が辺野古を急ぐ理由は、これMV-22、これ、いわゆる垂直に上昇する、、オスプレイの配備が迫っていると。アメリカはどうしてもオスプレイをあそこに持っていきたい。それを、『朝まで生テレビ』でですね、元旦の時に、どうしてもアメリカはオスプレイを配備したいんだよねって、森本敏さんが話したんですよ。

 今までは聞いてもオスプレイの話はしてくれなかったのにと、社民党の代議士がぼやいていたんですけど。(米軍は)オスプレイを絶対に必要とするから、これはどうしても必要なんだって。その時にすっとみんな、それはどこに向かって何に使うの、と聞いたら、『中東』ってポロッと言ったんですよ」


孫崎「森本さんが?」


岩上「はい。まさに先生がおっしゃっているように、日米安保のために使うんじゃないんですね。日米同盟の、要するにアメリカの国際戦略として中東に向かって出撃するための、中東への出撃基地、日本の安全保障とは関係ない話なんですね。

 アメリカの国際戦略のために、どうしてもあそこを使いたいんで、それでオスプレイが必要だと。極東の有事が起こったらどうたらこうたらという話は全然関係なかった。でも、そこはみんな気づいてなくてですね、そこをスルーされちゃったんですよ。そこは本当は焦点になるところだったのに」

孫崎「中東に行くことを、これから重要視しますということを言っているわけですよね。だから、世界戦略であることは間違いないし、アメリカの世界戦略の中で朝鮮半島の重要性っていうのは非常に減ってきましたよね。もう結局、アフガニスタン、イラク、イラン、イエメン、とかあの辺が本当に中心になりましたよね」


岩上「日本の保守勢力、保守の論客は、やはり北朝鮮の危機というものを重視する傾向にあります、本当はもしかしたらやっぱり北朝鮮は怖いかもしれない、ミサイルもあるし核も作るかもしれない。拉致問題も残っているし、やっぱりその問題は絶対に解決しなければいけないと思っております。

 となると、アメリカが北朝鮮を軽視していくと言いますか、敵視しない方向に進んでいくというのを、どう解釈したら良いか、とまどいを覚えるわけですね。
で 更に尻尾を沢山に振ろうとする奴隷の根性を丸出しなんだから
救いようが無い訳でwwwwwwwwwwwwwwwww

http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_252.html

岩上「簡単に言ってしまうと、『国際安全保障環境というのを改善する』というのは、言いかえるとイスラエルを救うということじゃないですか。イスラエルの安全を脅かすものものに対して色々な形で仕掛けていくという」


孫崎「そういう露骨な表現を、私は避けて(苦笑)。アメリカの安全保障を強化するという中には、イスラエルの安全保障を強化するという言葉も含まれていますと」


岩上「適切な言いかえ、ありがとうございます(笑)」


孫崎「バッシングが非常に強い時期ですから。正確に言うと、アメリカの安全保障はイスラエルの安全保障と別には存在していないと(笑)」


岩上「密接に結び付いていると。日本のような立場ではないわけですね、イスラエルは。日本とアメリカの安全保障は密接に結び付いていると言われる時に、日本はアメリカのフォロワーでしかない。何も決定は日本はできない。ただ追随していくだけ」


孫崎「本当にイスラエルは、アメリカを動かしていますからね」


岩上「関係性が違いますね、ポジションが。イスラエルは決してアメリカの尻尾ではない」


孫崎「イスラエルの政策の非難は、アメリカではできない」


岩上「それはどうしたものやら、と思いますね」


孫崎「やっぱり一番良い方法は、『イスラエルロビーとアメリカ外交』というウォルトとミアシャイマーの本を熟読することじゃないですかね。というのは、あれを引用する。自分の考えじゃなくて、ウォルトはこう言っているというふうに」


岩上「ちょっと防衛を。盾をここに置いて」


孫崎「非常にあれは危ない場所だから。マスコミだって、それで、発言の機会を奪われた人たちがたくさんいるわけですから」


岩上「『マルコ・ポーロ』の編集長だった花田さんは、かつて僕の上司だったんです」


孫崎「『マルコ・ポーロ』においでになったの?」


岩上「いえ、僕はその前に『Enma』という雑誌で記者だったんです。20代半ばのとき。その時花田さんが副編集長だったんですね。その後僕はフリーになって、花田さんが『マルコ・ポーロ』のトップになったら、『ホロコーストはなかった』というような記事を掲載して、同誌は廃刊になってしまって」


孫崎「そのわりには、ユダヤの怖さはまだ勉強されてないんじゃ(笑)。いや、冗談ですよ」


岩上「怖さというより、私ロシアに行っていたものですから、ロシアで嫌と言うほどユダヤ人の有力さを見ますよね。なんでこんなに各界でトップに立っている人間が出てくるんだ、次々と。で、また一般のロシア人があれほどユダヤを恐れる。畏怖する感情ですよね。単なる嫌悪じゃなくて、怖い。それは、イスラエルは重要だということくらいで止めていただいてほしい。


ユダヤ ユダヤ ユダヤ ユダヤ ユダヤ ユダヤ 何度でも言いましょうw
ヒトラーの気持ちやハドリアヌスの気持ちが
まぁ そういう訳で 分からんでもないんだよねwwwwwwwww

岩上「先生も人が悪いですね(苦笑)。
つまり、日米安保にとって、ここがベストなんじゃなくて、
日米同盟にとって、ここがベストじゃないですか。
北朝鮮を相手にするとか、台湾海峡(危機で中国)を相手にするわけじゃないでしょ、
中東に出撃するために便利でしょ、どうぞお使いくださいと



孫崎「便利なのに、なんであなたは嫌だと言っているんですかと(笑)」


岩上「そういう風に、やはり言わないと(笑)」



孫崎「そうすると、それは逆に言うと、これまで米国は今までの自民党の時の合意というのが日米の間で絶対に唯一正しいものだという言い方をしてきたわけですよね。ところが一つでも違うものが入るとね、じゃあ日米合意というものの全体も、ひょっとすると別のオプションがあるかもしれない、いうところに行くわけですよね。その役割を実はこれが持っている」


岩上「変えたいんですね。ここから崩していきたい」


孫崎「崩していきたいというか、それが現在言っているベストというものが、日米のベストであるかどうかは検討する余地があると」


岩上「私も少しインテリっぽく(笑)。このあたりから脱構築して、デコンストラクションしていくと。もう少し脱構築された同盟に……」


孫崎「それは実は、部分的に左翼勢力が築いているんですよね。これから左翼勢力がどう出てくるか、日本のね。基本的にはグアムへ行けと言っているわけですよ」


岩上「社民党が……」


孫崎「グアムへ行けと言ってるんだから、彼らの立場から言うとこの長崎案はのめないんですよ。ところが、のめないものもオプションだということになると、非常に大きな変化になるんですよね」


岩上「大きな戦略の中の、全然別な、今まで作り上げてしまった日米合意を脱構築していくためのロードマップというものを、どこかに作って……」


孫崎「そういう雰囲気で見ているかもしれないから、だからこれ、一番最初に政党として動いたのは社民党なんですよね。誰か知りませんが、長崎に見に行ったわけですよね、この案を受けて。本来だったらこんなものは、何の役にも立たないと。グアムしかないんだということを言うはずの政党がそうではなくて、一番真剣に取り組んだんですよね」

http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_253.html

長崎案を出せば、アメリカは、なんだ日本は!とは言えないわけですよね」


岩上「日米同盟的には、良いでしょうと。中東を攻撃しに行くのに」


孫崎「そう。日米同盟的にはこんなに良い案はないのに。キャンプ・シュワブしかないという言い方はちょっと違うんじゃないですかと。


http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_254.html

日米安保に戻れば良いという話ではない。そうすると、新しい国際環境というか、日本にとって都合の良い国際環境、何度も言いますけど、日本にとってですよね。やっぱりアメリカにとってではなくて。日本にとって都合の良い国際環境及び日本の戦略というのを考える上で、日本はまず日本のことをカッコに入れて、その他の主なプレーヤー、米中の関係を分析しなきゃいけない。

 そうするとこの場合、米中は対決もあり得るし、共存もあり得るし、相互依存もあり得えますよね。さらに(同盟を)結んだ上で日本を排除してしまうこともある、(日本を)分割統治しちゃうこともあるかもしれない。非常に複雑です。アメリカが中国をどんどん押しやっていくか、中国がアメリカをどんどん押しやっていくか、そういうこともあり得る。全面対決もあるかもしれない。

 という中で、どういう米中のあり方が、日本にとって望ましく、また望ましいあり方になった時に、日本がどういうポジションをとっていたら良いのか。あるいは、米中が日本にとって不都合な方向にいった場合も、日本はそれに合わせた戦略をとらなければならない。非常に要因が複雑なんですけれども



孫崎「今回ね、そこに書いてある鳩山総理に提言をしましたと。これはすでに渡してあります。というものは、一番最初に言ったのは、日本の安全保障は3つの大きなものが起こっていると。

 一つはアメリカが世界戦略の中で使おうとしている。もう一つ中国が大国化している。それから北朝鮮の核が現実のものになってきていると。このままで、現状のままいけばいいというものではないんですよ、というところから始まったわけですよ。ということで、私自身は中国にどうするかっていうのは、一つの方向性を見せたんですけれども、さっきの話に戻りますとね、今、そのいくつかある課題の中で、何が動いていて、何を変えなきゃいけないかというと、一番大きいのはやっぱり日米同盟の話なんですね。

 日米同盟のものは、もう今日・明日の問題なんですね。というのは、今度、今まさに岡田さんが日米同盟の深化をしなきゃいけないということを言っている。ということで、政治イシューとしては、今日、判断しなきゃならない問題として出てきている。だから、これにどういう勢力を集めていくかというのが、一番重要なんです。

 とすると、国際情勢は色々変わったから新しい対応をしなければいけないんだけども、多くのさっきのその日本の財界であるとか、政治家であるとか、一般の人達に、1960年ぐらいまで私は戻るのはいいよと。そうすると、そんなに不安がないわけですよね。要するに1960年から2005年まで来た体制、これで日本は繁栄したんだから、この路線まで私は変えろということは言っていませんと。ここまで戻りますと。だけど、この後は止めなきゃいけないんですからね。そうすると、ここまで戻るということだったら、あなたも一緒に行動とれるでしょうと。ということで、ここに全勢力をもってきているんです」


岩上「いったん、方便として日米安保への回帰ということですか?」


孫崎「いや、日米安保の新しい情勢で、日米安保がどうあるべきかというのは議論していかなきゃいけないし、これから変化していくんだけれども、しかし、それの前に日米同盟が出てきているから。この日米同盟を処理すると。それが一番最初にやるべきことなんですね」


岩上「処理しちゃうんですね、まずは」


孫崎「これがそちらの方向に行かないとした後、時間的に余裕があるから、その後、中国をどうするか、北朝鮮をどうするか、そこはそれを踏まえながら今度は日米安保をどうするかということを考えてもいいと」

完全にディプロマシーな訳でw
http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_255.html
岩上「確認ですけど、日米同盟を深化させるという言葉を、つまり深めるという言葉を非常に軽々に外務省も使っていると思うんです。政府もね。でも、深めるという意味は、さっき言った05年のあの文章の立脚点にして、アメリカの戦略に追随するのを深めますよということになっちゃうわけですよね」


孫崎「そう。アメリカの意図はそういうことですよね。日本のほうは、それを理解しないで深化させると言っているわけですよ」


岩上「それは自民党もずっとそうだったし、今の民主党政権もその調子ですか」


孫崎「今の民主党政権は、非常に面白いのは、これはね、理解して言っているのか、理解して言ってないのか、変化球投げているんですよね。面白い言い方は、そのさっきの話じゃないんだけど、日米関係は、日米同盟というのは、安全保障だけじゃなくてその他の分野も含まれますと、言っているんですよね。環境であるとか」


岩上「岡田さんの言った、最初に私が申し上げた……」


孫崎「そうそう。それはある意味では分かっているとすると、ものすごい変化球なんですよね。『深化させる』ということを、米国の言っている『深化させる』は安全保障に限っているわけなんです。だけどそこで環境の話なんてやろうなんて思っていない。

 それを枕詞のようにしていって、日本もそこに楯突くのはいけないからと言って、深化します、深化しますと言っているんだけれども、分かっておいでになるのか、分かっていないのかは別にして(笑)、それを他のイシューも入れてね、やるということになると、同床異夢を作っているわけですよね。だから、それは同床異夢があると、米国のものと同一じゃないんですよね。面白いゲームを意識しているかどうかは分からないんだけれども始めたんですよね」


岩上「岡田さんは。官邸がですか?」


孫崎「官邸も、同じようなことを言ってますよね。言っていると思います」


岩上「言ってますか。つまり意思疎通があってやっているんですね、これは」


孫崎「いや、知りません。分からない。そこを考えて、この深化させるというものは危険性を持っているんだということを認識して、その他のものにまで手を広げたのか、日本はまあ外交というと、要するにソフトパワーをやれとか、そういう言葉って非常に好きですから、だから、ソフトパワーだ、環境だという言葉が何の無理もなく、そこにスッと入るんですよね。そういう感じでスッと入ったのか、米国との深化を、局面を打開するために言っているのか、この辺が分からないんですね」


岩上「その05年の文書の深刻性というものを十分分かった上で、それを表に顔にあらわさず、どう変えるかなあということを考えて、おとぼけ戦術を……」


孫崎「やってるのか、そこはあまり考えずに、しかし結果的には、非常に困る変化球を打たしているか」


岩上「要するに天然ということですか(笑)。空気を読まないというか、全然分かっていないがゆえに……」


孫崎「上手くかかっていると」


岩上「お坊っちゃんが、ふわっと言ってしまったみたいな」
まさに あの「ディプロマシー」をしていれば そういう局面に出くわすしねwwwwwwww
2010年04月15日 誠天調書: サルには理解できない“外交の基本を学ぶゲーム「ディプロマシー」”の楽しみ方
で 変化球を投げられては待つ身になってしまった側は、
 少なくとも対米追従で尻尾の振り方だけを考えていた連中だけを相手にするのとは違うぞ
となる訳で。

岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「アメリカは小沢対策を真剣に考えています。今の検察の動きを見ていると、手をつなげないと思っている雰囲気ですが」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー11
岩上「なるほど。小沢さんあたりは、これはどう考えて動いていると分析されます?」


孫崎「通説は、小沢さんの動きは選挙で説明できるということですよね。選挙配慮で説明できるということですから、そうすると、今のようなゲームはちょっと関係ないんでしょうね。むしろ岡田さんとか、そういう人達の感じですよね。外交の問題でその他のものを入れて展開したいというのは小沢さん、そんなに強くは思っていないんじゃないでしょうか」


岩上「通説では、特に最近の小沢さんの行動、ビヘイビアは、選挙がすべてというふうに確かによく言われています。

 でも時々選挙に逆風になるような行動もバッとするわけですね。例えば外国人地方参政権の話も、民団に配慮したと言っても、どう考えても民団の一部に配慮してどんだけ選挙有利になるか。下手をすると大敗しちゃうかもしれないという賭けですよね。そういうところも、ちょっと分からないんです。

 もう一つ彼は、国際問題というのは関係ないような、内政専門の政治家に見えて、でも、小沢一郎という政治家がある種、自民党の中の幹事長として、自民党内で出世していく政治家ではなく、もうちょっと大きく変わったきっかけになったのが93年頃ですね。それが原点で、アメリカ追随の形ではない、でも国際貢献をするという建前を持ちながら、非常に狭い道を通って右と左が言っていることとは違う道を歩こうと、ということをずっと貫いていってます。

 この考えは、彼はあの頃は『普通の国になる』と言っていた。今は左におもねっているというより、左を上手く抱き込んでいて辛抱強く、左の言い分を聞く政治家に変わったという。だけど、あの人はとても頑固な人で、20代や30代に立てた目標を忘れることは決してない政治家ですよね。どうあっても、国会改革をやるとか、一貫していますよね。そうするとあの90年代初頭に立てた目標を忘れるとはとうてい思えない。

 だからアメリカに対してことさらに、おれは会わないよと。非常に冷たい態度をとる。アメリカの方が折れて、小沢ちょっと来てくれと、話し合いをしようと、トップのほうの高官が言うまで、おれは知らない。おまえらとは話さないみたな態度をとり続けて。非常にリスキーなことなんですけれど、そんな交渉の仕方。この辺の行動、そして、彼の持っていこうとしている先は、どういうふうに評価されますか」


孫崎「分からないんですよ、私は。分からないというのは、本当に分からない。おたくさんのほうが、むしろ小沢さんの周辺にコンタクトあるわけだから、私はむしろ聞きたいんで、小沢さんがどういう人であるか、どの戦略をもっているか、それは私は分からない」


岩上「今日、細野さんがゲストで、細野さんは新側近じゃないですか、細野豪志さん。けっこう話してくれて、休みの間ずっと色々聞いたんですけど、細野さんも分かってないんですよね、やっぱり。全部分からない、全然。とぼけているのかもしれませんが」


孫崎「あーそう」


岩上「腹が読み切れないと言いますか。いや分からないんですよ。正直、キーを持っている政治家ですから。彼はどうしようとしているのか。鳩山さんの方と、鳩山ビジョン的な東アジア共同体といって、それと小沢さんのやっていることとは共鳴しあうように見える。どうなんでしょうか、現実は」


孫崎「いや分からないんですよ。本当に小沢さんというのは知識がないから」


岩上「今後、小沢さんとコンタクトを……」


孫崎「ないでしょうね、多分。いや、わかりませんけれども、小沢さんの世間的な考え方は選挙を中心に考えているとすれば、私が発言する場所はない。私は、アメリカとの関係をどうしようかということを考えているわけで」


岩上「アメリカとの関係」


孫崎「それなら発言したいことはありますけれど。国内の政局がどうなっているかなんて、私は全然知りませんから」


岩上「でも、小沢さんもアメリカとの関係を考えない人じゃないだろうとは思うんですけどね」


孫崎「だから彼なりに自分のパイプがあるんじゃないですかね」


岩上「あるらしいですよ、実は」


孫崎「そのパイプが現実的にどれくらい強力であるかは別にして、今の政権の中でね」


岩上「はい、そうですね。小沢さんが独自でアメリカとパイプをもち、コンタクトをとっているという話は、一切新聞に出たことはないとは思います。でも、とっているらしいんですよ」


孫崎「なるほど、なるほど。誰か冗談に、ルースは小沢シフトだと言う人がいて、いや、びっくりしたんですけどね、ややこしい話でなければ、ないでいいんだけれども、次の大使の一番の課題は小沢対策なんだから、それはやっぱり弁護士の方がいいと(笑)。ということを、今日ある人から、聞いたんですけどね。本当かどうか知りませんけれども」


岩上「本当はナイが大使として来るはずだった、という話もありましたものね」


孫崎「ナイは50%・50%と言っていますけれども、ナイがなぜ来なかったかというのは、世間一般的には小浜の選挙での論功行賞でルースさんが来ることになったという説明で、だけど、今日初めて聞いた、ルースさんなら小沢を御せるかもしれない、という話となんかつながってる」


岩上「アメリカはやっぱりずいぶん前から正確に分析しているということですね。小沢対策を」


孫崎「やっぱり真剣にやっていると思いますよね。それをどう、手をつなげると見られるのか、手をつなげないと見ているのか。今までの雰囲気は、アメリカは小沢氏とは手をつなげないと見ているような雰囲気ですけどねえ。検察の動きを見ているとね」


岩上「そうですね。でも、他方で、アメリカではキャンベルでしたっけ、が、小沢ちょっと話し合いに応じてくれよ、アメリカに来てくれよと言い出してますよね」


孫崎「来てくれとは、言っていましたよね」


岩上「膝を屈するような言い方だなあと思いました」


孫崎「しかし行かないでしょう。それはやっぱり怖いですよ」


岩上「怖い……」


孫崎「行けないですよ。いやいや何があるか分かりませんからね。アメリカって色々な多様性がある国だから。それは何も現政権がやるかどうかは別にして、色々なものを持っている国だから、そう簡単に、わかりました、じゃあ行ってしゃべりますというわけにはいかないでしょう。それは小沢さん絶対受けられないですよ」


岩上「多分、話すんだったらおまえが来いというのは、まず言うだろうと思いますし。それはもう実際会うかどうか分からないですよね。オルブライトでしたっけ、小沢さんが会うのを断ったは。大使でしたっけそれとも」
※2007年8月、参院選で勝利した民主党の小沢一郎代表(当時)に、シーファー駐日大使(当時)から会談を申し入れたが保留を続けていた事実があった。のちに、会談は実現している。

孫崎「あ、前の大使ですね」


岩上「もう足蹴にするような失礼な」
で 俺は、
コレは もう詰将棋だ、って書いたんだよね。

岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「アメリカにおける日本研究者は従順な日本とだけつきあってきたので、日本の変化に戸惑いがある」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー12
岩上「でも、日本側がダンスを踊る。だけれども、自分のリズムで踊り出した。あなたが合わせる時もあっていいんじゃないということをメッセージして、アメリカが人のダンスに合わせることができるか、というそんな器用な真似を彼らはできるのか……」


孫崎「もちろんできると思いますよ。ソ連との関係だって、中国だって……」


岩上「イスラエルだって、色々なところと合わせていますよね。わがままに動くものに対して、彼らが合わせるということは、」


孫崎「やっているわけですから。そういう意味では、そういうメッセージを出した方が良いと思っていますけど。だけど(アメリカにおける)日本関係者はずっと、そうでない(従順な)日本とだけつき合ってきたわけですから」


岩上「アメリカにおける日本関係者は、非常に戸惑いを覚えてたということがありますよね」


孫崎「そうでしょうね」

岩上「それと、日本における官僚も、そういう政治に全く慣れていないので、今まで、国内の政治かといえば、自分たち官僚の言うとおりにシャッポになってくれているお殿様がずっといてくれたわけですから。政治家の方が、自分で自分の立てたプラン通りに動いていく、それに官僚が従う、というのに慣れていない。官僚は、自分たちが行く方向性が分からなくなれば、アメリカを振り返ってアメリカの言う通りにやるというのが習い性になってきました。そういう形で日本の官僚機構というのは動いてきたわけですね。この国の主人を決めるのは誰だという今、闘争中なんですかね。このいがみ合いのような……」


孫崎「今はだけど、そんなに政府側からいくと一応民主党が牛耳っているわけですから、今のこの段階において、民主党の政策が民衆が主人でないというものはないと思いますよ」


岩上「ただ、例えば検察がこれだけ強硬な動きをして……」


孫崎「そう、そう」


岩上「そして、もしかしたら小沢さんを排除してしまうとか」


孫崎「ということになるとね、かなり深刻ですよね」


岩上「そうですよね。党務というレベルで言えば、政務は別として、小沢一郎に代わる政治家がいるかといえば、正直いないわけじゃないですか」


孫崎「だからね、せっかく我々から見ると、米国との関係で日本的なものを言おうかという時期があって、その背景に小沢さんはいるような雰囲気ですから、私個人的には頑張って欲しいと思いますけどね」


岩上「今、瀬戸際ですね。本当に、わかりました。ありがとうございました。面白くて長い話になってしまいました」


孫崎「はい、どうも。ありがとうございました」
その後 小沢は不起訴になった。
うん やっぱり詰将棋だよね もう既にね。
王手が掛かるまで 手筋を読み切れないままに それでも鳩山政権へ攻勢を進める馬鹿は
嬲り殺されるまでだよねwwwww




posted by 誠 at 06:20| Comment(0) | TrackBack(0) | (゚∀゚) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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