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2010年04月21日

「日米安保」と「日米同盟」は全く別モノ その2

← 誠天調書: 「日米安保」と「日米同盟」は全く別モノ その1 からの続き


岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「小沢一郎は、アメリカにとっては危険な政治家です」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー4

岩上「この時、細川政権があった後、自社さきがけ連立政権が誕生していきますよね。この時に不穏な動きがありました、これはちょうど、先生も書かれていますけれども、アメリカ側があからさまに人事介入をして、『武村官房長官を外せ』と圧力をかけた。

 我々は、どこかで日本はアメリカの属国、属領で、いまだに色々な意味でコントロールされ、支配され、占領下に事実上置かれているんじゃないかという懸念を抱いてはいるけれども、普段はあまり感じない。

 でも、そういう人事介入というのは、あからさまな属国に対する宗主国の態度と言いますか。で、実際政権は崩壊しているわけです」


孫崎「基本的にそれは多分、歴史的に見るとかなり頻繁に起こっていることなんですけれども、関与した人がそれをそうだとは言わないわけですよ、なかなかね。ところが、細川政権の武村さんの件については、前の防衛長官、女性の、池袋の」


岩上「小池百合子さん」


孫崎「小池百合子さんが、自分のブログの中でそれを説明しましたから


岩上「他でもこれは色々なところで出ているみたいですね。僕も複数、確認できました」


孫崎「なるほど。これに類したもの(アメリカ側の日本への人事介入圧力)というのは、これまでいっぱいあったと思います。あったけれども、それに関与している人たちが、ああいう形で説明するということはなかったから」


岩上「核の密約と同じように、日本の人事をアメリカに自由にされてきて、そして言ってみれば自民党がアメリカの意を受けている、いわば、アメリカの傀儡政党のように機能していた部分があると」


そして以下の話は そもそもの日米安保の話に絡み
ネット上で知る人も少なくはない部分だけど おさらいも含めて

岩上「もしかすると自民党のスタート点からして、そうだったのかもしれません。吉田さんが、後で排除されますけれども、いったんは長期政権を敷いた。その前にそもそもは、鳩山一郎さんが自民党を作りました。日本の戦後の55年体制のスタート点というのは、鳩山総理として、鳩山自民党としてスタートするかもしれなかった。ところが、なぜかそこで、公職追放という形になったりしました。その後病気もされますから、なかなか思うようには首相になれなかった悲運の方なんでしょうけれども、鳩山一郎さんは、今の鳩山総理のお祖父さんにあたるんですよね。

 当時、軍事的な独立もはっきりと明言していた方で、かつ東アジアに対して、今の鳩山総理が言っているような理念、友愛の理念も語った。これは当時の占領軍のアメリカにとっては、非常に不都合なことを言う人物だったでしょう」


孫崎「それは分かりません。それは分かりませんけれども、吉田総理の方が好都合な人物であったことは間違いないですね(笑)。しかし、その吉田総理が、おっしゃったように、後は排除されていく。

 なぜ吉田総理というものを出してきたかというと、吉田総理というのは、ある意味戦後の歴史の中で、日米関係でアメリカにとって最も望ましい総理であったであろう人も、晩年は排除されていると。そういう意味で吉田総理というものの位置づけをエピソードとして出してきたんですけどね。

 その他に、アメリカから見て、歴代の首相がどれくらい自分たちに都合が良いかというと、吉田総理のランクまで、みんながみんな行ってるわけじゃないですから」


岩上「あとやはり岸さんということになるんでしょうか」


孫崎「ええ、そうですね。岸さんは非常に……」


岩上「日米安保を改訂し……」


孫崎「そういう意味では戦後の日本を、基本的に軍事的にニュートラルにすると、それで日本の軍事力がなければ、世界の平和があるみたいな雰囲気だったのが、冷戦構造の中で日本を利用するという方向に切り替えたわけですよね。そこで岸さんであるとか、その他の財界、政界、いろいろな人が復権してきましたよね」


岩上「A級戦犯だった人たちが、あるいは公職追放されていた人たちが復活してきて。ある種、アメリカの意を受けた政財界のリーダーになって行くと。岸さんに関しては、CIAの資金が投じられたとか、そういう事は今もうすでに、アメリカでドキュメントが発表されて『CIA秘録』だとか色々な本でも書かれています」


孫崎「本当ですよね。春名幹男さんですか、あの人の本もかなり詳しいですし。色々なものが今出ていますよね。それから有馬さんの『CIAと日本テレビ』という本もありますし。歴史的には多分米国が介入していたことを信じてよさそうな文献というのがいっぱいありますからね。それを前提に考えていいと思いますよ」


岩上「我々の過去の歴史は、そういう歴史で積み重なって、ともあれ、その中でさしたる紛争に巻き込まれることもなく、高度成長を享受し、すっかりこれが良いものだと思い込んできた」


孫崎「そういうことです」


岩上「長い50年があったわけですね。でもこれは冷戦を前提としていますから、あくまで共通敵である、というか、アメリカにとって非常に不都合な敵であるソ連という存在があって、それに対する防波堤というか、利用できる基地として、あるいは経済的なパートナーとして、日本というのは非常に利用価値があった。ですから、日本の国益になる、例えばアメリカの市場を開放していくこと、そういう経済的利益も考慮してきた。

 ところが冷戦が終わり、ソ連がなくなり、もう一回日本の再利用をしようということで、新たな戦略を組み立て始めた。これがナイ・リポートであったりして、だんだん日本を組み込み直す動きが、アメリカで始まるわけですよね。」

そして 其処から先、本当の今 本当の現在と直結する部分

孫崎「その時に、もう一つ言うと、冷戦が終わった時に、米国の国民にとっての一番の脅威は日本の経済力だったわけですよ。だからその時の選択肢として、米国はロシアがなくなったあとも、軍事介入続けるという方針をとりましたけれども、それをとりつつ日独を、アウトサイダーにしておくわけにはいかなかったんですよ。

 積極的にアメリカがサバイブする、アメリカが競争に負けない、その為には日独を、アメリカ戦略の中に組み込まなきゃいけないという新たな要請が出てきたわけです」


岩上「それは、結果として日本にプラスだったのか、マイナスだったのか。どうなんでしょう」

孫崎「基本的にはマイナスでしょうね。よく分かりませんけれども、非常に変な言い方なんだけれども、今から考えればね、要するに92〜3年ですよね。日本の経済が世界の最高になっているわけですよね。その世界の最高がなんで経済の仕組みを変えなきゃいけないんですか。

 もしも世界最高じゃなくてドン尻だったら、経済のシステムを変えなきゃいけないという議論が出てくるのは当然ですけれども、一番の頂点にある人間が、なんで今のシステムはおかしいと言って、ガラガラガラガラ変えるんです。」


岩上「年次報告書とか……」


孫崎「いろいろなものがね。だからそういう意味で、それを一つ考えても、日本独自の動きというものが90年代の始めに止まったと。だから経済も安全保障もみんなそこで止まってしまった」


岩上「もしもの話になりますが、その時に93年頃、非常にキーになった政治家というのが小沢一郎でした。もちろん小沢氏一人で何もかも決められるわけではないですけれども、自民党を割って、とにかく変えていこうという一つの姿勢を見せた政治家であり、今も現在も鍵になる政治家でありますね」


孫崎「その時の受けている印象はね、私は小沢という政治家を研究している人間でもないし、実態がどうなってるか分かりませんけれども、今と93年の時の小沢さんと違うのは、日米関係強化という方向の旗頭が小沢さんだったんですよね」


岩上「93年頃は」


孫崎「うん、というのは、例えばどういうことかと言いますと、あそこで日本が湾岸戦争で日本が資金提供しますよね。これなんかも小沢さんが、かなり先頭切っていましたしね、ただ普通の国にという言葉でもって軍事的に行くという切り替えも小沢さんが先導していましたから。そういう意味では、93年ぐらいは小沢という政治家はアメリカはそんなに警戒しなかったかもしれない。そこは今とちょっと違うんじゃないでしょうかね」


岩上「今は、(アメリカにとっては)危険な政治家になっている」


孫崎「危険な政治家だと思いますね(笑)。というのは、常駐なき、駐留なき米軍、ということを言っていますから。こういう台詞は、やはり危険な政治家じゃないですかね」


岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「日本の異様さというのは、マスコミの異様さ。政治を混乱させてどうするつもりか」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー5

岩上「(小沢氏に対する)ものすごいバッシングの中で、昨日(1月13日水曜日)、強制捜査が入るという事態です。これはどのようにご覧になりますか。国内の官僚の抵抗というふうにも……」


孫崎「やっぱり、実際問題としてどうなっているか分かりませんけれども、推測からいきますとね、一番最初に小沢さんの問題が始まったのは西松建設だし、西松建設と、もしも小沢さんと、推定ですけれども、建設業界が密着しているということであれば、国内にいろいろな材料があるわけですよ。でしょうね、普通は。

 しかしスタートは、外為法か何かで外国から出発していますよね(2009年2月3日、外為法違反で西松建設の前社長と元副社長が起訴された)。ということからいくと、単純に日本の国内だけの動きでないかもしれない」
(※「西松建設前社長、容疑認める 外為法違反事件」2009/02/04 12:53【共同通信】)


岩上「ロッキードと同じだと」


孫崎「いや、それは分かりませんよ。分かりませんけれども、スタートはね、少なくとも日本国内に問題がある動きをしてたとすれば、案件は日本国内の問題から始まっているわけです。だけど、あの問題は明らかに外為法というか外国の問題から始まっているから、単に日本の警察の能力であるとか、それ以外のものが関与していると見て、自然じゃないでしょうかね」


岩上「十二分に分かりますね。排除したいと。でもその意志が始まったのは、ここ最近だということですよね」


孫崎「ここ最近ですよね。だから一番最初は西松建設のところから始まりましたからね」


岩上「そういう見立てでいくとですね、今日の朝、実はラジオに出演してきた(ニッポン放送「お早う!GoodDay!」)んですけれども、ラジオでもお話したんですけれども、今のマスコミは論調が一色ですよね。この状況は大変気持ち悪い。私はこれは納得できないと。全て検察からのリークですよね。今起きていることは『小沢疑惑』と書かれているんですけれども、実際に立てられている被疑事実というのは石川さんの政治資金収支報告書の記載もれという、もう形式犯でしかない。

 それでこれだけのガサをですね、強制捜査を、全国の関係各所に、二度も行っているわけですよね。異例であり、しかも、すでにできあがってしまっているストーリーを新聞が、毎日毎日書いているわけですよ。膨大な報道量です。これは全部、検察リーク情報です。現実にはまだ誰も、悪質な犯罪で検挙されてはいない。検察の狙いは小沢さんだろうと目されてはいますが、誰が容疑者で、どんな犯罪要件で、どんな被疑事実があるのかを、検察はまったく示すこともなく、捜査に入って……」


孫崎「しかし政治的にはものすごく大きい」

岩上「ダメージで」


孫崎「意味を持っていると」


岩上「はい。こんな異様な光景を見ることになるとは思わず、非常にショックを受けました。実は、この2〜3日前に小沢さんの定例会見があったんです(1月12日)。その定例会見に120人くらいの報道陣が集まって、そこで、当然報道陣はみんな、気色ばんでなぜ答えないんだ、なぜ事情聴取を受けないんだと」


孫崎「部分的ですが、その場面は見ました。全部見ているわけじゃないんですが。」


岩上「私はその中で、これはおかしいと思いますと手を挙げて言いました。検察が、こういう形で容疑事実を示さずに別件に別件を重ねて、さらに推定無罪ということも、それから人権ということも、冤罪の可能性ということも、全部念頭になく、しかも公務員の守秘義務違反を犯して連日のリークを行っている。公務員守秘義務違反のほうが、はるかに政治資金収支報告書の記載漏れよりも罪は重いですよね。

 にも関わらず、これだけのリークをして。そこにいる記者たちはみんな直接的か間接的かを問わず、リークされています。リークされている記者だらけの中で、私はリークされていない記者として、そこにいる人達を思いきり挑発した形になるんですけれども、この人権のなさと言いますか、この状況をどう思うかと、小沢さんに質問したんです。

 他の人間に当てはめたら大変な人権侵害だし、小沢さん自身のことをカッコに入れてもらってもいいけれども、こんなことが日本で許されていいのか、お考えを聞きたいと言ったら、小沢さんは『他の普通の人にこんな事が起こったら困っちゃうけれども、私は政治の中に身を置いているから、甘んじて受けます』と」


孫崎「なるほど」


岩上「意外でした。国策捜査であるとか、何かそういう反応がくるかと思ったんですよ。それが全然予期しない反応で、随分淡々と落ち着かれているなあ、という印象ではあったんですよね。

 そういうような、私、ちょっとマスコミの論調とは逆のことを言ったりしてきたんですが、さすがに昨日、今日の強制捜査の報道を受けた後は、ラジオに出演した後、ネットなんかでもtwitterなんかでも、ものすごく検察批判をする人達が増えてきている。マスコミは全く反映していない、取り上げていないんですけれども、あまりにもひどいと。暴挙であると、一般の国民も思い始めてきている」


孫崎「本当にねえ、まあ、日本の異様さというのは、マスコミなんですよね。これが、何時の時点からか分かりませんけど、言葉は正確か分かりませんけど、編集権ということで、非常にその色彩の強い、事実についても色彩の強いものを報じていくと。

 わかりませんけどねえ、例えばニューヨーク・タイムズであるとかワシントン・ポストであるとか、それはかなり政治色の強いものを打ち出しますよね。例えば大統領選挙の時には。どの候補を応援するとか。しかし、左派・右派問わず、論評も掲載していますしね。まして事実関係は掲載しているけれども、日本の今のマスコミは事実を含めてね、自分たちの主張と同じものを載っけると。それが権利だという言い方を始めているわけですよね。

 だけど本当は国民はそれを望んでいるわけじゃないわけだから、何かジャーナリズムのあり方ということを、新聞社と国民の望むジャーナリストの間に、大きな乖離ができていると思いますけどね」


岩上「できていると思います。そして特に民主党政権になってからですね、その逆風でまさに一色になってしまった。今までの政権であれば、何か一つのマターとかイシューがあればですね、必ずそれに対して反対、だけれどもこっち側に賛成がいる、というか。やっぱり世論が割れるような、新聞でも論調が割れるようなことがあったけれども、今起こっていることは一色です。しかも、そこにいる人達は、絶対に気付いているはずなんですよ。自分たちが異様なことをやっていると。

 まさか、全ての新聞記者が、これを何とも疑問に思わないとは、思わないです。ところが全部一色になっている。そして東京地検、ここまでやる。こういう事を言うと、僕が民主党寄りだとか、小沢シンパだとか、そういうことを言われますが、そうではなくて、これが自民党に対して起きても、僕はこれは異様だと思いますし、こんな無茶苦茶をやってはいけないと思います。

 ただ、そこにさらにアメリカの影というものが重なるとですね、非常に複雑な問題になってくると」


孫崎「今から1ヶ月か2ヶ月前にね、イギリスの保守党の指導者が、我々は政争に明け暮れる時期ではないと、今、英国というのは大変に危機があるんでね、政争を止めて両党が協調して国の立て直しを図る時期だと、ということを言っているんですよね。

 私は、今まさにその時期に日本は来ていてね、小沢さんであれ、鳩山さんであれ、そういう人を捕まえて混乱させる時期ではないと思いますけどね。

 というのは、今、日本は、国家としての危機があって、いかに政治、官僚をつぶしたわけですからね、官僚機構はもう働かないように今、一応はなった。そして政治が全部主導しなければいけないと。その中で政治を混乱させてどうするつもりなのかと。

 それにはやっぱり私は、メディアは答えなければいかんのじゃないかと思いますね。日本を混乱に落とす、その一環として現在の動きがあるわけだから、それをも無視してやらなきゃならない巨悪が潜んでいるのかどうか。そこは答えなきゃいけないと思うんですよね」


岩上「もし非常に悪質性の高い、重要な汚職であるとか、というものが潜んでいる場合、それはなんであろうと排除しなければいけない。ただし法に則って、ということですね。だけれども、検察がやっている捜査手法は、適正な手続きに則っていない。その行使の仕方自体に脱法的なところがありますよね。正当化できない。しかもそもそも何の被疑事実でやろうとしてるのか、誰も分からない。

 こういう事が、このタイミングで行われてる。非常に政治的で、国策捜査というか、国策という言葉はおかしいですね。国の策というより国そのものに向かってやっていて、今、民主党は野党じゃないですからね。今与党ですから」


孫崎「本当に。だから普通だとね、この異常さというのは、普通は、それを考えていて、私、やっぱり一つ疑問に思うのは、官僚もそうですけどね、必ず、日本の権力に迎合する勢力が、大体中心になるわけですよね、メディアもね。ところが日本の権力に迎合する勢力が、今メディアに出ていないというのは非常に不思議ですよね。普通だったら、(与党である)民主党ぴったりのジャーナリズムが、必ず出るはずなんですよね」


岩上「だから民主党が、権力者じゃないということですよね(笑)。誰が権力者なのか。権力とは何か」


孫崎「本当ですね」


岩上「本当に、この国家の権力というのは、まさに東京地検なのか、官僚なのか、あるいはもしかしたら、背後にいるアメリカの意志なのか」


孫崎「そこは本当にね、普通だったら権力に迎合する官僚もそうですし、それからメディアもそうですし、必ずそういう機関というのは権力と迎合するものが大体中心になるはずなんですけど。しかし、それが全く見えないというのは、不思議な現象であると(笑)」


岩上「これはどういう事でしょう?」


孫崎「それはどうぞ(笑)」


岩上「宿題いただいちゃったような感じがします(苦笑)。正直言って分からないですね。特にアメリカの動きは分からない。

一年前 西松事件直後から俺は俺なりに追っかけ続けた話と
殆ど同じ事が別ルートから話されている、
あの時 コレは絶対に徹底抗戦をしなければマズい オカシすぎる、と
何が何でも というつもりで書き続けていた。
話の中身の部分部分では 多少の間違いは有っても
本筋としては全く間違ってなかった と今でも確信を持っている。

岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「アメリカも、日本の外務省も、防衛省も、メディアも、普天間問題がうまくいかないと日米関係が壊れると言っているが、そんなことはありえないと、鳩山総理に申し上げました」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー6
岩上「米国追随から日本が離れることを、すごく恐れるかのように、3ヶ月くらい、バッシング報道が凄かったですよね」


孫崎「凄かったですね」


岩上「これも半ば捏造のようなところがあって、例えば藤崎大使がクリントン長官に呼び出されたとか、大騒ぎになりました。実際は、向こうの高官が『呼び出したんじゃない、step in だ』と言いかえて否定したり。あるいは、日本の記者が、国務省や国防総省の記者会見の際に、なんとかアメリカの高官から、『日本の政府には困っている』という言葉を引き出すためにしつこく質問している、そういうシーンが、今ネット時代ですから、全部ホームページを見るとですね、ビデオで公開されちゃって、見ることができる。言ってみれば、日本の特派員たちが、米政府の高官の『対日強硬発言』を捏造していくわけですね。そういうような事も明らかになってきたりして」


孫崎「私、個人的なことからいくと、面白いのは、1月の5日に、鳩山さんのところに行ったんですけどもね。それでブリーフをして」


岩上「官邸に行かれたんですか。」


孫崎「ええ。これがそうなんです。これが鳩山さんにしゃべった内容なんですね」


岩上「この間新聞に出た、大村の方に持っていくという話」
(※「普天間移設先 長崎・大村基地を提案 首相の私的勉強会」(琉球新報 2010年1月8日)参照


孫崎「面白いのはですね。ものすごいフォローがあるんですよね。この後、今。記事にするかどうか分かりませんけれども、大手のメディア、それからテレビ、テレビは3社、全然違ったものが追いかけているんですよね。なんかこう、これで良いの、というような雰囲気もあわせてあるんですよ」


岩上「じゃあ、ちょっと一色だったのが、もしかして変わる予兆は見えているのかなと」


孫崎「だからそういう意味ではね、面白い事に、ナイさんが言っているのとほとんど同じ時期なんですけれども(笑)。それは単なる偶然でしょうけれど。だけれども、非常に面白いんですよ。私のような考え方というのは、今ある方は2万7千いったんですよね。だからネットとかそういう方では、大変な関心がありましたけど、長い間大手のメディアは無視してきたわけですよね。ところが急にここのところにかかってきて、鳩山さん頑張るべきだという話をしているのを、ここ数日ですよね」


岩上「これについてもおうかがいしたいと思っているのですが、どういうことを提言されたんですか、ズバリ」


孫崎「ズバリはですね、アメリカも、日本の外務省も、防衛省も、メディアも、普天間問題が上手くいかないと、日米関係が壊れると、言っているけれども、そんなことはあり得ないと」


岩上「僕は、ずっとそう言い続けてきたんで、嬉しいですけど。心強いです」


孫崎「要するに普天間というのは、例えば、基地のお金に直せば、20分の1以下なんで、20分の1のために20分の19をおかしくしてもいいなんて、アメリカ人は絶対に言わないと。だから、基本的に一番重要なのは、日本の選挙の結果だから、その結果を踏まえて、日本国民はチェンジを望んでいるんだから、チェンジをやるというのが筋なんで、沖縄の反応を見ながらやっていくべきだと。

 というのを言ったわけですよね。だからそれを言って、その時にぶら下がりがあってそれを言ったけれども、あんまり関心がなかったんだけど(笑)、今はまたちょっと出てますね」


岩上「在日米軍は……、いや、米国にとって極めて重要。皮肉なことですが、日本にとってではなく、はっきり書かれていますね」


孫崎「米国にとって重要なんだから、米国自身がそんなものを捨てるなんてことはやらないと」


岩上「ゲーツ国防長官、キャンベル国務次官補等は、過度の圧力。オバマ大統領は悪化好まずと。というのはゲーツやキャンベルがこれまで日本に対して見せてきた強硬な姿勢というのは、行き過ぎがあって、これは恐らく修正されて、オバマ自身は事態の悪化は望まないであろうと。こういう分析ですよね。彼らが修正してくるだろうと」


孫崎「そうですね。その後にナイが来た(笑)。そういう意味ではナイ的な雰囲気になるんじゃないかという、そういうものになるだろうから、鳩山さんはそんなに怯える必要はないと」


岩上「ナイというのは、専門家ですから、ご説明していただきたいんですけれども、アメリカにおける対日戦略を考えていくキーパーソンですよね?」


孫崎「キーパーソンですよ。さっきの流れから行くと、1993〜4年に日本が、場合によっては、アメリカの議論の中にはアジアから撤退すべきだと、そういうような時に、いや日本というのは重要なんで、日本というものを大事にすることによってアメリカの戦略を構築していこうと、そういう事を考えた人間ですよね。国防総省の冷戦後の戦略策定に非常に重要な役割を果たしたと。

 それからハーバードというのは(※ナイはハーバード大学特別功労教授)、基本的には安全保障の、よく産軍共同体というのは言われているんですけれども、私はそれに、産軍学が入っていると思ってるわけですよね。学もストラテジーを作る。そういう役割の中の非常に重要な人間が」


岩上「名誉教授ですよね」


孫崎「ええ。ということですから、彼の発言は大きいですよね。それからそれの予兆は、ナイだけでなくって、サミュエルズ(※Richard J. Samuels。マサチューセッツ工科大学政治学部教授。)という、これはMITの政治学者がいるんですけれども、これが去年の3月に『日本防衛の大戦略』というのを書いているんです。これもあんまりキャンベルラインは好きじゃないんですよね。

 だから、私はアメリカが変わるだろうと、いうことを言ったのは、何も根拠がないわけじゃなくて、ある程度、そういう日本ハンドラーですよね、それと違う人達は、党も、ちょっと違うんですよね。日本ハンドラーというのは、日本を自分の言いなりにすることによって、自分の得点を稼ごうとする人達ですよね。だけど、アメリカ戦略を考える人達というのは……」


岩上「ハンドラーというのは、この場合代表的な人物というのは、」


孫崎「キャンベルであり、ゲーツである」


岩上「アーミテージは、どうなんですか」


孫崎「アーミテージはもちろんそっちです。で、それに対して……」


岩上「マイケル・グリーンなんかは、もちろんですよね」


孫崎「そうですね。それに対してナイなんかは、日米同盟だけ考えている人間じゃないんですよね」


岩上「もうちょっと視野が広い」


孫崎「ええ、アメリカ戦略の中に日米があるわけですよね。そういう人達は、今度の論文の一番最後の締めくくりというのは、小さな戦略、ゲームも、大局的に見ると、ものすごい失敗になると、そういう位置づけだと、こう言っているわけですよね。


 岡田外相も、記者会見で、マイケル・グリーンら共和党系の論客や政治家は、日本における反民主党勢力とも組んで鳩山内閣叩きに力を注いでいるが、米国は決して一枚岩ではないこと、日米関係を落ち着いて安定的なものにしていこうとする勢力が、米国内に存在していることも明らかにしている。

岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「在日米軍だけでなく、在韓米軍も中東を中心に世界展開のために使おうというのです。朝鮮半島の戦略的重要性は非常に減りました」〜1月14日孫崎享外務省国際情報局長インタビュー7
岩上「この辺野古のところですけれども、今重要な問題ですからお聞きしたいんですけど。米国が辺野古を急ぐ理由は、これMV-22、これ、いわゆる垂直に上昇する、、オスプレイの配備が迫っていると。アメリカはどうしてもオスプレイをあそこに持っていきたい。それを、『朝まで生テレビ』でですね、元旦の時に、どうしてもアメリカはオスプレイを配備したいんだよねって、森本敏さんが話したんですよ。

 今までは聞いてもオスプレイの話はしてくれなかったのにと、社民党の代議士がぼやいていたんですけど。(米軍は)オスプレイを絶対に必要とするから、これはどうしても必要なんだって。その時にすっとみんな、それはどこに向かって何に使うの、と聞いたら、『中東』ってポロッと言ったんですよ」


孫崎「森本さんが?」


岩上「はい。まさに先生がおっしゃっているように、日米安保のために使うんじゃないんですね。日米同盟の、要するにアメリカの国際戦略として中東に向かって出撃するための、中東への出撃基地、日本の安全保障とは関係ない話なんですね。

 アメリカの国際戦略のために、どうしてもあそこを使いたいんで、それでオスプレイが必要だと。極東の有事が起こったらどうたらこうたらという話は全然関係なかった。でも、そこはみんな気づいてなくてですね、そこをスルーされちゃったんですよ。そこは本当は焦点になるところだったのに」

孫崎「中東に行くことを、これから重要視しますということを言っているわけですよね。だから、世界戦略であることは間違いないし、アメリカの世界戦略の中で朝鮮半島の重要性っていうのは非常に減ってきましたよね。もう結局、アフガニスタン、イラク、イラン、イエメン、とかあの辺が本当に中心になりましたよね」


岩上「日本の保守勢力、保守の論客は、やはり北朝鮮の危機というものを重視する傾向にあります、本当はもしかしたらやっぱり北朝鮮は怖いかもしれない、ミサイルもあるし核も作るかもしれない。拉致問題も残っているし、やっぱりその問題は絶対に解決しなければいけないと思っております。

 となると、アメリカが北朝鮮を軽視していくと言いますか、敵視しない方向に進んでいくというのを、どう解釈したら良いか、とまどいを覚えるわけですね。
で 更に尻尾を沢山に振ろうとする奴隷の根性を丸出しなんだから
救いようが無い訳でwwwwwwwwwwwwwwwww

http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_252.html

岩上「簡単に言ってしまうと、『国際安全保障環境というのを改善する』というのは、言いかえるとイスラエルを救うということじゃないですか。イスラエルの安全を脅かすものものに対して色々な形で仕掛けていくという」


孫崎「そういう露骨な表現を、私は避けて(苦笑)。アメリカの安全保障を強化するという中には、イスラエルの安全保障を強化するという言葉も含まれていますと」


岩上「適切な言いかえ、ありがとうございます(笑)」


孫崎「バッシングが非常に強い時期ですから。正確に言うと、アメリカの安全保障はイスラエルの安全保障と別には存在していないと(笑)」


岩上「密接に結び付いていると。日本のような立場ではないわけですね、イスラエルは。日本とアメリカの安全保障は密接に結び付いていると言われる時に、日本はアメリカのフォロワーでしかない。何も決定は日本はできない。ただ追随していくだけ」


孫崎「本当にイスラエルは、アメリカを動かしていますからね」


岩上「関係性が違いますね、ポジションが。イスラエルは決してアメリカの尻尾ではない」


孫崎「イスラエルの政策の非難は、アメリカではできない」


岩上「それはどうしたものやら、と思いますね」


孫崎「やっぱり一番良い方法は、『イスラエルロビーとアメリカ外交』というウォルトとミアシャイマーの本を熟読することじゃないですかね。というのは、あれを引用する。自分の考えじゃなくて、ウォルトはこう言っているというふうに」


岩上「ちょっと防衛を。盾をここに置いて」


孫崎「非常にあれは危ない場所だから。マスコミだって、それで、発言の機会を奪われた人たちがたくさんいるわけですから」


岩上「『マルコ・ポーロ』の編集長だった花田さんは、かつて僕の上司だったんです」


孫崎「『マルコ・ポーロ』においでになったの?」


岩上「いえ、僕はその前に『Enma』という雑誌で記者だったんです。20代半ばのとき。その時花田さんが副編集長だったんですね。その後僕はフリーになって、花田さんが『マルコ・ポーロ』のトップになったら、『ホロコーストはなかった』というような記事を掲載して、同誌は廃刊になってしまって」


孫崎「そのわりには、ユダヤの怖さはまだ勉強されてないんじゃ(笑)。いや、冗談ですよ」


岩上「怖さというより、私ロシアに行っていたものですから、ロシアで嫌と言うほどユダヤ人の有力さを見ますよね。なんでこんなに各界でトップに立っている人間が出てくるんだ、次々と。で、また一般のロシア人があれほどユダヤを恐れる。畏怖する感情ですよね。単なる嫌悪じゃなくて、怖い。それは、イスラエルは重要だということくらいで止めていただいてほしい。


ユダヤ ユダヤ ユダヤ ユダヤ ユダヤ ユダヤ 何度でも言いましょうw
ヒトラーの気持ちやハドリアヌスの気持ちが
まぁ そういう訳で 分からんでもないんだよねwwwwwwwww

岩上「先生も人が悪いですね(苦笑)。
つまり、日米安保にとって、ここがベストなんじゃなくて、
日米同盟にとって、ここがベストじゃないですか。
北朝鮮を相手にするとか、台湾海峡(危機で中国)を相手にするわけじゃないでしょ、
中東に出撃するために便利でしょ、どうぞお使いくださいと



孫崎「便利なのに、なんであなたは嫌だと言っているんですかと(笑)」


岩上「そういう風に、やはり言わないと(笑)」



孫崎「そうすると、それは逆に言うと、これまで米国は今までの自民党の時の合意というのが日米の間で絶対に唯一正しいものだという言い方をしてきたわけですよね。ところが一つでも違うものが入るとね、じゃあ日米合意というものの全体も、ひょっとすると別のオプションがあるかもしれない、いうところに行くわけですよね。その役割を実はこれが持っている」


岩上「変えたいんですね。ここから崩していきたい」


孫崎「崩していきたいというか、それが現在言っているベストというものが、日米のベストであるかどうかは検討する余地があると」


岩上「私も少しインテリっぽく(笑)。このあたりから脱構築して、デコンストラクションしていくと。もう少し脱構築された同盟に……」


孫崎「それは実は、部分的に左翼勢力が築いているんですよね。これから左翼勢力がどう出てくるか、日本のね。基本的にはグアムへ行けと言っているわけですよ」


岩上「社民党が……」


孫崎「グアムへ行けと言ってるんだから、彼らの立場から言うとこの長崎案はのめないんですよ。ところが、のめないものもオプションだということになると、非常に大きな変化になるんですよね」


岩上「大きな戦略の中の、全然別な、今まで作り上げてしまった日米合意を脱構築していくためのロードマップというものを、どこかに作って……」


孫崎「そういう雰囲気で見ているかもしれないから、だからこれ、一番最初に政党として動いたのは社民党なんですよね。誰か知りませんが、長崎に見に行ったわけですよね、この案を受けて。本来だったらこんなものは、何の役にも立たないと。グアムしかないんだということを言うはずの政党がそうではなくて、一番真剣に取り組んだんですよね」

http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_253.html

長崎案を出せば、アメリカは、なんだ日本は!とは言えないわけですよね」


岩上「日米同盟的には、良いでしょうと。中東を攻撃しに行くのに」


孫崎「そう。日米同盟的にはこんなに良い案はないのに。キャンプ・シュワブしかないという言い方はちょっと違うんじゃないですかと。


http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_254.html

日米安保に戻れば良いという話ではない。そうすると、新しい国際環境というか、日本にとって都合の良い国際環境、何度も言いますけど、日本にとってですよね。やっぱりアメリカにとってではなくて。日本にとって都合の良い国際環境及び日本の戦略というのを考える上で、日本はまず日本のことをカッコに入れて、その他の主なプレーヤー、米中の関係を分析しなきゃいけない。

 そうするとこの場合、米中は対決もあり得るし、共存もあり得るし、相互依存もあり得えますよね。さらに(同盟を)結んだ上で日本を排除してしまうこともある、(日本を)分割統治しちゃうこともあるかもしれない。非常に複雑です。アメリカが中国をどんどん押しやっていくか、中国がアメリカをどんどん押しやっていくか、そういうこともあり得る。全面対決もあるかもしれない。

 という中で、どういう米中のあり方が、日本にとって望ましく、また望ましいあり方になった時に、日本がどういうポジションをとっていたら良いのか。あるいは、米中が日本にとって不都合な方向にいった場合も、日本はそれに合わせた戦略をとらなければならない。非常に要因が複雑なんですけれども



孫崎「今回ね、そこに書いてある鳩山総理に提言をしましたと。これはすでに渡してあります。というものは、一番最初に言ったのは、日本の安全保障は3つの大きなものが起こっていると。

 一つはアメリカが世界戦略の中で使おうとしている。もう一つ中国が大国化している。それから北朝鮮の核が現実のものになってきていると。このままで、現状のままいけばいいというものではないんですよ、というところから始まったわけですよ。ということで、私自身は中国にどうするかっていうのは、一つの方向性を見せたんですけれども、さっきの話に戻りますとね、今、そのいくつかある課題の中で、何が動いていて、何を変えなきゃいけないかというと、一番大きいのはやっぱり日米同盟の話なんですね。

 日米同盟のものは、もう今日・明日の問題なんですね。というのは、今度、今まさに岡田さんが日米同盟の深化をしなきゃいけないということを言っている。ということで、政治イシューとしては、今日、判断しなきゃならない問題として出てきている。だから、これにどういう勢力を集めていくかというのが、一番重要なんです。

 とすると、国際情勢は色々変わったから新しい対応をしなければいけないんだけども、多くのさっきのその日本の財界であるとか、政治家であるとか、一般の人達に、1960年ぐらいまで私は戻るのはいいよと。そうすると、そんなに不安がないわけですよね。要するに1960年から2005年まで来た体制、これで日本は繁栄したんだから、この路線まで私は変えろということは言っていませんと。ここまで戻りますと。だけど、この後は止めなきゃいけないんですからね。そうすると、ここまで戻るということだったら、あなたも一緒に行動とれるでしょうと。ということで、ここに全勢力をもってきているんです」


岩上「いったん、方便として日米安保への回帰ということですか?」


孫崎「いや、日米安保の新しい情勢で、日米安保がどうあるべきかというのは議論していかなきゃいけないし、これから変化していくんだけれども、しかし、それの前に日米同盟が出てきているから。この日米同盟を処理すると。それが一番最初にやるべきことなんですね」


岩上「処理しちゃうんですね、まずは」


孫崎「これがそちらの方向に行かないとした後、時間的に余裕があるから、その後、中国をどうするか、北朝鮮をどうするか、そこはそれを踏まえながら今度は日米安保をどうするかということを考えてもいいと」

完全にディプロマシーな訳でw
http://www.iwakamiyasumi.com/column/politics/item_255.html
岩上「確認ですけど、日米同盟を深化させるという言葉を、つまり深めるという言葉を非常に軽々に外務省も使っていると思うんです。政府もね。でも、深めるという意味は、さっき言った05年のあの文章の立脚点にして、アメリカの戦略に追随するのを深めますよということになっちゃうわけですよね」


孫崎「そう。アメリカの意図はそういうことですよね。日本のほうは、それを理解しないで深化させると言っているわけですよ」


岩上「それは自民党もずっとそうだったし、今の民主党政権もその調子ですか」


孫崎「今の民主党政権は、非常に面白いのは、これはね、理解して言っているのか、理解して言ってないのか、変化球投げているんですよね。面白い言い方は、そのさっきの話じゃないんだけど、日米関係は、日米同盟というのは、安全保障だけじゃなくてその他の分野も含まれますと、言っているんですよね。環境であるとか」


岩上「岡田さんの言った、最初に私が申し上げた……」


孫崎「そうそう。それはある意味では分かっているとすると、ものすごい変化球なんですよね。『深化させる』ということを、米国の言っている『深化させる』は安全保障に限っているわけなんです。だけどそこで環境の話なんてやろうなんて思っていない。

 それを枕詞のようにしていって、日本もそこに楯突くのはいけないからと言って、深化します、深化しますと言っているんだけれども、分かっておいでになるのか、分かっていないのかは別にして(笑)、それを他のイシューも入れてね、やるということになると、同床異夢を作っているわけですよね。だから、それは同床異夢があると、米国のものと同一じゃないんですよね。面白いゲームを意識しているかどうかは分からないんだけれども始めたんですよね」


岩上「岡田さんは。官邸がですか?」


孫崎「官邸も、同じようなことを言ってますよね。言っていると思います」


岩上「言ってますか。つまり意思疎通があってやっているんですね、これは」


孫崎「いや、知りません。分からない。そこを考えて、この深化させるというものは危険性を持っているんだということを認識して、その他のものにまで手を広げたのか、日本はまあ外交というと、要するにソフトパワーをやれとか、そういう言葉って非常に好きですから、だから、ソフトパワーだ、環境だという言葉が何の無理もなく、そこにスッと入るんですよね。そういう感じでスッと入ったのか、米国との深化を、局面を打開するために言っているのか、この辺が分からないんですね」


岩上「その05年の文書の深刻性というものを十分分かった上で、それを表に顔にあらわさず、どう変えるかなあということを考えて、おとぼけ戦術を……」


孫崎「やってるのか、そこはあまり考えずに、しかし結果的には、非常に困る変化球を打たしているか」


岩上「要するに天然ということですか(笑)。空気を読まないというか、全然分かっていないがゆえに……」


孫崎「上手くかかっていると」


岩上「お坊っちゃんが、ふわっと言ってしまったみたいな」
まさに あの「ディプロマシー」をしていれば そういう局面に出くわすしねwwwwwwww
2010年04月15日 誠天調書: サルには理解できない“外交の基本を学ぶゲーム「ディプロマシー」”の楽しみ方
で 変化球を投げられては待つ身になってしまった側は、
 少なくとも対米追従で尻尾の振り方だけを考えていた連中だけを相手にするのとは違うぞ
となる訳で。

岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「アメリカは小沢対策を真剣に考えています。今の検察の動きを見ていると、手をつなげないと思っている雰囲気ですが」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー11
岩上「なるほど。小沢さんあたりは、これはどう考えて動いていると分析されます?」


孫崎「通説は、小沢さんの動きは選挙で説明できるということですよね。選挙配慮で説明できるということですから、そうすると、今のようなゲームはちょっと関係ないんでしょうね。むしろ岡田さんとか、そういう人達の感じですよね。外交の問題でその他のものを入れて展開したいというのは小沢さん、そんなに強くは思っていないんじゃないでしょうか」


岩上「通説では、特に最近の小沢さんの行動、ビヘイビアは、選挙がすべてというふうに確かによく言われています。

 でも時々選挙に逆風になるような行動もバッとするわけですね。例えば外国人地方参政権の話も、民団に配慮したと言っても、どう考えても民団の一部に配慮してどんだけ選挙有利になるか。下手をすると大敗しちゃうかもしれないという賭けですよね。そういうところも、ちょっと分からないんです。

 もう一つ彼は、国際問題というのは関係ないような、内政専門の政治家に見えて、でも、小沢一郎という政治家がある種、自民党の中の幹事長として、自民党内で出世していく政治家ではなく、もうちょっと大きく変わったきっかけになったのが93年頃ですね。それが原点で、アメリカ追随の形ではない、でも国際貢献をするという建前を持ちながら、非常に狭い道を通って右と左が言っていることとは違う道を歩こうと、ということをずっと貫いていってます。

 この考えは、彼はあの頃は『普通の国になる』と言っていた。今は左におもねっているというより、左を上手く抱き込んでいて辛抱強く、左の言い分を聞く政治家に変わったという。だけど、あの人はとても頑固な人で、20代や30代に立てた目標を忘れることは決してない政治家ですよね。どうあっても、国会改革をやるとか、一貫していますよね。そうするとあの90年代初頭に立てた目標を忘れるとはとうてい思えない。

 だからアメリカに対してことさらに、おれは会わないよと。非常に冷たい態度をとる。アメリカの方が折れて、小沢ちょっと来てくれと、話し合いをしようと、トップのほうの高官が言うまで、おれは知らない。おまえらとは話さないみたな態度をとり続けて。非常にリスキーなことなんですけれど、そんな交渉の仕方。この辺の行動、そして、彼の持っていこうとしている先は、どういうふうに評価されますか」


孫崎「分からないんですよ、私は。分からないというのは、本当に分からない。おたくさんのほうが、むしろ小沢さんの周辺にコンタクトあるわけだから、私はむしろ聞きたいんで、小沢さんがどういう人であるか、どの戦略をもっているか、それは私は分からない」


岩上「今日、細野さんがゲストで、細野さんは新側近じゃないですか、細野豪志さん。けっこう話してくれて、休みの間ずっと色々聞いたんですけど、細野さんも分かってないんですよね、やっぱり。全部分からない、全然。とぼけているのかもしれませんが」


孫崎「あーそう」


岩上「腹が読み切れないと言いますか。いや分からないんですよ。正直、キーを持っている政治家ですから。彼はどうしようとしているのか。鳩山さんの方と、鳩山ビジョン的な東アジア共同体といって、それと小沢さんのやっていることとは共鳴しあうように見える。どうなんでしょうか、現実は」


孫崎「いや分からないんですよ。本当に小沢さんというのは知識がないから」


岩上「今後、小沢さんとコンタクトを……」


孫崎「ないでしょうね、多分。いや、わかりませんけれども、小沢さんの世間的な考え方は選挙を中心に考えているとすれば、私が発言する場所はない。私は、アメリカとの関係をどうしようかということを考えているわけで」


岩上「アメリカとの関係」


孫崎「それなら発言したいことはありますけれど。国内の政局がどうなっているかなんて、私は全然知りませんから」


岩上「でも、小沢さんもアメリカとの関係を考えない人じゃないだろうとは思うんですけどね」


孫崎「だから彼なりに自分のパイプがあるんじゃないですかね」


岩上「あるらしいですよ、実は」


孫崎「そのパイプが現実的にどれくらい強力であるかは別にして、今の政権の中でね」


岩上「はい、そうですね。小沢さんが独自でアメリカとパイプをもち、コンタクトをとっているという話は、一切新聞に出たことはないとは思います。でも、とっているらしいんですよ」


孫崎「なるほど、なるほど。誰か冗談に、ルースは小沢シフトだと言う人がいて、いや、びっくりしたんですけどね、ややこしい話でなければ、ないでいいんだけれども、次の大使の一番の課題は小沢対策なんだから、それはやっぱり弁護士の方がいいと(笑)。ということを、今日ある人から、聞いたんですけどね。本当かどうか知りませんけれども」


岩上「本当はナイが大使として来るはずだった、という話もありましたものね」


孫崎「ナイは50%・50%と言っていますけれども、ナイがなぜ来なかったかというのは、世間一般的には小浜の選挙での論功行賞でルースさんが来ることになったという説明で、だけど、今日初めて聞いた、ルースさんなら小沢を御せるかもしれない、という話となんかつながってる」


岩上「アメリカはやっぱりずいぶん前から正確に分析しているということですね。小沢対策を」


孫崎「やっぱり真剣にやっていると思いますよね。それをどう、手をつなげると見られるのか、手をつなげないと見ているのか。今までの雰囲気は、アメリカは小沢氏とは手をつなげないと見ているような雰囲気ですけどねえ。検察の動きを見ているとね」


岩上「そうですね。でも、他方で、アメリカではキャンベルでしたっけ、が、小沢ちょっと話し合いに応じてくれよ、アメリカに来てくれよと言い出してますよね」


孫崎「来てくれとは、言っていましたよね」


岩上「膝を屈するような言い方だなあと思いました」


孫崎「しかし行かないでしょう。それはやっぱり怖いですよ」


岩上「怖い……」


孫崎「行けないですよ。いやいや何があるか分かりませんからね。アメリカって色々な多様性がある国だから。それは何も現政権がやるかどうかは別にして、色々なものを持っている国だから、そう簡単に、わかりました、じゃあ行ってしゃべりますというわけにはいかないでしょう。それは小沢さん絶対受けられないですよ」


岩上「多分、話すんだったらおまえが来いというのは、まず言うだろうと思いますし。それはもう実際会うかどうか分からないですよね。オルブライトでしたっけ、小沢さんが会うのを断ったは。大使でしたっけそれとも」
※2007年8月、参院選で勝利した民主党の小沢一郎代表(当時)に、シーファー駐日大使(当時)から会談を申し入れたが保留を続けていた事実があった。のちに、会談は実現している。

孫崎「あ、前の大使ですね」


岩上「もう足蹴にするような失礼な」
で 俺は、
コレは もう詰将棋だ、って書いたんだよね。

岩上安身HP - Web Journal ニュースのトリセツ - 「アメリカにおける日本研究者は従順な日本とだけつきあってきたので、日本の変化に戸惑いがある」〜1月14日孫崎享元外務省国際情報局長インタビュー12
岩上「でも、日本側がダンスを踊る。だけれども、自分のリズムで踊り出した。あなたが合わせる時もあっていいんじゃないということをメッセージして、アメリカが人のダンスに合わせることができるか、というそんな器用な真似を彼らはできるのか……」


孫崎「もちろんできると思いますよ。ソ連との関係だって、中国だって……」


岩上「イスラエルだって、色々なところと合わせていますよね。わがままに動くものに対して、彼らが合わせるということは、」


孫崎「やっているわけですから。そういう意味では、そういうメッセージを出した方が良いと思っていますけど。だけど(アメリカにおける)日本関係者はずっと、そうでない(従順な)日本とだけつき合ってきたわけですから」


岩上「アメリカにおける日本関係者は、非常に戸惑いを覚えてたということがありますよね」


孫崎「そうでしょうね」

岩上「それと、日本における官僚も、そういう政治に全く慣れていないので、今まで、国内の政治かといえば、自分たち官僚の言うとおりにシャッポになってくれているお殿様がずっといてくれたわけですから。政治家の方が、自分で自分の立てたプラン通りに動いていく、それに官僚が従う、というのに慣れていない。官僚は、自分たちが行く方向性が分からなくなれば、アメリカを振り返ってアメリカの言う通りにやるというのが習い性になってきました。そういう形で日本の官僚機構というのは動いてきたわけですね。この国の主人を決めるのは誰だという今、闘争中なんですかね。このいがみ合いのような……」


孫崎「今はだけど、そんなに政府側からいくと一応民主党が牛耳っているわけですから、今のこの段階において、民主党の政策が民衆が主人でないというものはないと思いますよ」


岩上「ただ、例えば検察がこれだけ強硬な動きをして……」


孫崎「そう、そう」


岩上「そして、もしかしたら小沢さんを排除してしまうとか」


孫崎「ということになるとね、かなり深刻ですよね」


岩上「そうですよね。党務というレベルで言えば、政務は別として、小沢一郎に代わる政治家がいるかといえば、正直いないわけじゃないですか」


孫崎「だからね、せっかく我々から見ると、米国との関係で日本的なものを言おうかという時期があって、その背景に小沢さんはいるような雰囲気ですから、私個人的には頑張って欲しいと思いますけどね」


岩上「今、瀬戸際ですね。本当に、わかりました。ありがとうございました。面白くて長い話になってしまいました」


孫崎「はい、どうも。ありがとうございました」
その後 小沢は不起訴になった。
うん やっぱり詰将棋だよね もう既にね。
王手が掛かるまで 手筋を読み切れないままに それでも鳩山政権へ攻勢を進める馬鹿は
嬲り殺されるまでだよねwwwww




posted by 誠 at 06:20| Comment(0) | TrackBack(0) | (゚∀゚) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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