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2005年09月06日

米国・カトリーナにおける被害者救援が進まない理由、に対する考察

「負け組」には命の保障をしない − 米国・カトリーナにおける被害者救援が進まない理由
『新生ニューオリンズの住民は果たして黒人か?』
彼等が懸念するのはもっともだ。
貧困な黒人住民の数を減らして、白人の割合を増やせば、その土地の評価はどうなるだろう?

史上最悪の人災?愛国的アメリカ国民ならポジティブにいこう。
企業家なら、常に最高額の利益を目指せ。
脱出の足を確保できないような「負け組」には命の保障はするな・・・
それがブッシュ政権の目指す「小さい政府」「民営化」「オーナーシップ社会」
---実際に誰が何を所有するかはともかく---
の成果なのであった。
(  以上 情報リンク元は 暗いニュースリンク 様より )

クリントン時代に
絶大な効果を発揮した自然災害危機管理システム〔米連邦緊急事態管理局(FEMA)〕
それが今回 何で機能しなかったのか?
報道を見るたび 気になっていた。
想定以上の災害なのか?州兵がイラクに行ってしまったからか?
少し分かった。

この記事が全てではないにせよ、重大な要素ではあるだろう。
FEMAの各部門が民営化されていては、システムは骨抜きにされて、
いざという時に何の役にも立たない。
まさに 人命より利潤を追求した結末にすぎない。

更に調べてみると

米国政府用語一覧 - Wikipedia
国土安全保障省 Department of Homeland Security(DHS)(同時多発テロ後に設置された省)
 緊急事態管理局 Federal Emergency Management Agency(FEMA フィーマ)
(かつては大統領府直轄の独立機関だった)
 となっていた。
すなわち、911米国同時多発テロで危機管理システムは
自然災害よりテロ対策を優先され、FEMAはDHSの下に入る形になっていた。
参考:米国国土安全保障省 DHS

今回の災害で ブッシュはFEMAを使ったのだろうか?
使っても機能しないと知っていたのか?
こうなると疑問は、最初に立ち返る。
黒人や貧困層の多い米国南東部の住民を大量殺戮できる絶好の機会を得た
ブッシュら政府による 予定調和に過ぎないのか?



自然災害に出動するはずの州兵もイラクに行っていて 人数も揃わない。
FEMAは機能不全。復興も どこか意図的なものを感じてしまう位に鈍い。
これでは、米国ブッシュ政権の失政以外に何物でもない、と断ずるしかないのでは。
もとより防げた自然災害であり、人災の部分が余りにも大きい。


安易で過度な民営化が 人命を軽視する典型かと。

これで 郵政民営化反対論者が「それ見たことか!」と一斉に声を大にし始めたら
そいつら全員を「バカ」と罵るが良いだろう。
“安易で過度な”民営化は人命を軽視するが
闇雲な公営はコスト意識を奪う。
そのバランスを保つのが政治家のバランス感覚であり
クリントンは その政治バランス感覚においては 達人であった。

1つの理念やイデオロギーに凝り固まった者が行う政治では
その歪みが いずれ零れ落ちてしまい、
被害を受けるは 社会の弱い階層になるのだ。

政治を行うは かくも難しい。

公的組織と民営化、この政治課題は
バランスを保ちつつ かつ迅速に行うという
まさに政治的技術を必要とする事業だ。
そこいらの言葉を述べるだけで何とかなる課題ではない、
政治に叡智が集結しなければならない理由は ここにある。
政治技術も 他の芸術と同じで、幼稚な業から神業まであるはずであり
今回の選挙で投票すべき先への指標とは
何よりも その「政治技術力」であるべきだろう。

単純に政治を非難するは、その当人の大衆的無能を公言するようなものである。
非難はガキでも可能だ。
懐の深さをも身につけた上で生きる が、大人として生き方であろうし
成人の権利「被選挙権」の行使に対する姿勢というものでもあろう。

カトリーナで亡くなった者の冥福を祈る、
死んだ者の上に生きる俺は 彼らから教訓を得ることが
最大の供養になると信じたい。




大統領の緊急事態宣言が発令されるほどの災害における
〔米連邦緊急事態管理局(FEMA)〕の活動内容






参考:
大統領の緊急事態宣言
災害が発生し、州の対応だけでは困難と州知事が判断した場合には、
Robert T. Stafford Disaster Relief and Emergency Assistance Act(The Stafford Act§5191)に基づいて
州知事から大統領へ緊急事態の宣言(Declaration)要求が出されることとなる。
大統領は州知事の要求を検討し、
連邦政府の支援が必要と判断(実際には連邦危機管理庁(FEMA)長官が判断)した場合には、
大統領の緊急事態宣言(Declaration)が発せられ、
他の州、郡市の協力を含めた連邦政府の防災資源(人材、物資、資金)が投入されることとなる。
 ↓
連邦応急対応組織
連邦レベルの調整グループでは、議長は連邦危機管理庁(FEMA)が担当する。
連邦応急対応計画(FRP)にサインしている27機関の専任の代表者で構成され、
各省庁の上層部とアクセスし、政策と防災資源の配給を決定する。
すなわち災害対策本部がFEMAに置かれて、各連邦省庁との調整役の中心になり
情報管理や支援方法を一元化することで即応性を高めている。
・連邦危機管理庁(FEMA)地域事務所長は、災害のあった州の防災責任機関と共に
連邦危機管理庁(FEMA)地域事務所にRegional Operation Center(ROC)を開設する。

・連邦危機管理庁(FEMA)地域事務所職員と主要省庁の代表で構成され、
Disaster Field Office(DFO)が開設されるまで、
連邦政府が活動する為の初動調整本部の役割を果たす。
そして まず連邦政府と地方組織との連絡窓口を一元化、
必要な情報伝達の即応性を高めている。
Emergency Response Team-Advance Element(ERT-A:先遣隊)

・Emergency Response Team-Advance Element(ERT-A)は、
連邦危機管理庁(FEMA)地域事務所の職員によって組織
(30名程度:専門的技能を有し、事前に指定されている。)される先遣隊で、
州職員と共に応急対応を実施する。

・平行してRegional Operation Center(ROC)では、
Emergency Response Team(ERT)本隊の編成(各省庁の混成部隊)が行われて追加派遣される。

・Emergency Response Team-Advance Element(ERT-A)は24時間以内に被災地に投入され、
Disaster Field Office(DFO)は少無くとも48時間以内に開設されることとなる。
なお、夜間・休日には、各職員は自宅から被災地へ直接参集することとしている。

・Emergency Response Team-Advance Element(ERT-A)は被害状況の把握を主な任務とし、
地域事務所、連邦危機管理庁(FEMA)本部を通じて大統領に初期情報が伝達される。
大統領はこの情報をもとに緊急事態宣言(Declaration)を行うこととなる。
また、後から来るEmergency Response Team(ERT)本隊の職員選定・資機材選定に役立てられる。

・Emergency Response Team-Advance Element(ERT-A)は、
被災地では米国赤十字(ARC)、救世軍(The Salvation Army)、
地元コミュニティー(教会等)等からの支援を受けて食事、宿舎等を確保している。
先遣隊の派遣、災害対策専属人員で
被災地に入るのは被害状況の把握を主な任務。
ここには記されてないが、今回のような台風などの場合、
先に被災地に到着して待機する場合もあるらしい。


○ 連邦調整官(Federal Coordinating Officer:FCO)

・ 大統領によって指名(大統領の代理人)される。

連邦危機管理庁(FEMA)長官に指名権が委任されており、
連邦危機管理庁(FEMA)の部長級が指定(本部、地域事務所等で25名)されている。


実災害でどの連邦調整官(FCO)が指定されるかは災害事案、発生場所によって異なるが、
大統領から州知事宛の書簡(Mr.○○○○を私の代理人として指名した)に
大統領がサイン(資料5参照)して効力が発揮され(The Stafford Act§5143)、
27機関に対して大統領の代理人として法律の範囲内で権限を行使することとなる。


・連邦調整官(FCO)は、一災害について1名のみが指名され、
途中で交代することはなく、
災害対応が長期化する場合は副連邦調整官(Deputy FCO)等のスタッフがサポートする。

・州の要請に応じて州調整官(SCO)と直接連絡・調整を行う。
なお、連邦調整官(FCO)と州調整官(SCO)とはあくまでも対等関係にある。

・また、州軍(NG)や連邦軍については
軍調整官(Defense Coordination Officer:DCO)を通じて活動を調整する。

・主な任務は、効果的な応急対策の調整や復旧業務、
災害現状の情報を収集整理して議会対策を行うこと、
マスコミへの情報提供や被害額の評価を行うこと等である。
なお、連邦調整官(FCO)は
主に被災者救護で、救急・救助は郡市(消防機関)のIncident Commander(IC)が行う。
ノースリッジ地震では27のリカバリーセンターを開設して
それらの間の調整が主な業務であった。

・ 連邦調整官(FCO)は27週間の特別訓練を受けた者が指定されている。



○ 州調整官(State Coordinating Officer:SCO)

・州知事によって指名され、州省庁や連邦政府と共同して応急対応や復旧活動の調整を行う。

・ 連邦調整官(FCO)と直接連絡・調整を行う。

・支援要求事項を確定し、また、必要でないものの選定も行い、支援要求を検討・計画化する。
FEMAにおける最大の権限でもあり 特徴でもある。
大統領の緊急事態宣言時において
連邦調整官は大統領の代理人として法律の範囲内で権限を行使することとなる。
現場の救助や復旧などを大統領権限で直接調整を可能とする強権、まさに伝家の宝刀。
軍や州兵へも、大統領権限による調整役(直接援助依頼など)を可能としている。
まさに即応性への切り札である。
posted by 誠 at 05:53| Comment(0) | TrackBack(0) | webにて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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